信用金庫の年収は低い?平均年収や他業界比較でわかる年収アップ戦略を紹介
- 本当に年収は上がるのか
- 他の信用金庫や業界の年収を参考にしたい
信用金庫で真面目に働いていても給与がなかなか上がらず、将来に漠然とした不安を抱えていませんか。
この記事では、信用金庫のリアルな年収事情を徹底的に解説します。あなたの年収を世間と比較でき、年収アップのための具体的な道筋が見えてくるはずです。
読み終える頃には、「今の職場で昇進を狙うべきか、それとも転職すべきか」という答えが見え、今後の収入と働き方に自信を持てるようになるでしょう。
信用金庫の年収・初任給の実態
信用金庫の年収は、勤務年数や地域によって大きく異なります。全体を把握するために、信用金庫自体の年収と、地域別の年収について把握しましょう。
全体の初任給・平均年収
信用金庫の全国の初任給は大卒(総合職)で19~26万円程度です。
信用金庫 | 初任給(大学卒業・総合職) |
---|---|
北海道信用金庫 | 230,000円 |
杜の都信用金庫 | 220,000円 |
東京信用金庫 | 250,000円 |
愛知信用金庫 | 210,500円 |
京都信用金庫 | 260,000円 |
九州ひぜん信用金庫 | 190,000円 |
※ 2025年8月14日時点
一方、平均年収は、信用金庫自体が非営利法人なため、社員の給与を公開していません。
そこで私独自に口コミや転職サイトから調査した結果、おおよそ400万円~550万円前後に集中していることがわかりました。
出典:OpenWork
地域別の初任給・平均年収
信用金庫は地域に根差した金融機関です。そのため、地域によって給与に若干の違いがあります。
地域 | 目安の初任給(大卒) |
---|---|
北海道 | 22万円 |
東北 | 22万円 |
関東 | 25万円 |
中部 | 23万円 |
近畿 | 25万円 |
中国 | 23万円 |
四国 | 23万円 |
九州・沖縄 | 20万円 |
※ 2025年8月14日時点
上記の通り、東京や大阪といった都市部の給与が高いことがわかりました。資金力が豊富な都市部の信用金庫は給与が高く、経営規模が小さい地方の信用金庫は給与が低い傾向にあるためです。
上記のデータを基に考えると、地域別の平均年収は以下の予想が立てられます。
地域 | 目安の年収 |
---|---|
北海道 | 440~480万円 |
東北 | 440~480万円 |
関東 | 500~550万円 |
中部 | 460~510万円 |
近畿 | 500~550万円 |
中国 | 460~510万円 |
四国 | 460~510万円 |
九州・沖縄 | 400~440万円 |
信用金庫の給与は地域差が大きく、都市部の方が有利です。勤務地選びが生涯年収に大きく直結するといえるでしょう。
信用金庫の年収は低い?業界ごとの比較
信用金庫は同じ金融業でも、銀行と比べると年収が低い印象を持たれます。メガバンクや地方銀行、他の業界と比べて本当に年収は低いのか、検証しました。
メガバンク・地方銀行との年収比較
検証の結果、信用金庫の年収はメガバンクより大幅に低く、地方銀行よりやや低い水準です。全国金融労働組合連合会の調査によると、2022年度(2022年4月~2023年3月)の平均年収は以下の通りとなっています。
金融機関 | 平均年収 |
---|---|
三菱UFJ銀行 | 784.6万円 |
三井住友銀行 | 842.8万円 |
みずほ銀行 | 793.2万円 |
地方銀行 | 631.1万円 |
信用金庫 | 400万円~550万円 |
出典:全国金融労働組合連合会「銀行の平均年収推移表(2009年3月~2024年3月)」
信用金庫は大規模な法人取引や高額商品を扱う機会が少なく、その分給与も控えめです。一方、信用金庫は地域密着型で転勤が少なく、ワークライフバランスの面では魅力があります。
収入面を優先するなら銀行への転職も検討しましょう。
他業界との年収比較
他業界と比べると、信用金庫の年収はちょうど中央値あたりです。
業種 | 平均年収 |
---|---|
電気・ガス・熱供給・水道業 | 775万円 |
金融業、保険業 | 652万円 |
情報通信業 | 649万円 |
学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業 | 551万円 |
建設業 | 548万円 |
複合サービス事業 | 535万円 |
製造業 | 533万円 |
運輸業、郵便業 | 473万円 |
不動産業、物品賃貸業 | 469万円 |
医療、福祉 | 404万円 |
卸売業、小売業 | 387万円 |
サービス業 | 378万円 |
農林水産・鉱業 | 333万円 |
宿泊業、飲食サービス業 | 264万円 |
参考:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
全業種の平均年収の中央値を計算すると503万円。信用金庫よりもまだまだ上の年収の業界があることがわかります。
信用金庫で培った金融知識や営業スキルは他業界でも活用できるため、転職時には強みとなるでしょう。
信用金庫の役職別年収の目安【一般職~支店長】
信用金庫の年収は役職ごとに大きく異なります。昇進するほどに責任が重くなるからです。
私の経験から、各役職ごとの年収は以下を参考にしてください。
役職 | 年収目安 |
---|---|
一般職 | 300万円~500万円 |
主任 | 400万円~600万円 |
係長 | 500万円~700万円 |
課長 | 600万円~900万円 |
次長 | 700万円~1,000万円 |
支店長 | 800万円~1,100万円 |
昇進による年収アップ効果は非常に大きいです。日々の業務で成果を出し続け、積極的にスキルアップに励むことも、年収アップに非常に大切になります。
信用金庫の年収に影響を与える5つの要因
信用金庫に勤めるにあたって、年収に影響を与える要因を5つご紹介します。
資格の有無
多くの信用金庫では、資格を持つことで昇進の可能性や手当額が増え、年収アップにつながります。
たとえば、播州信用金庫では「銀行業務検定」を持つことで、毎月4,000~6,000円の給与アップが望めます。
資格の影響は、今いる信用金庫に限った話ではありません。資格を持つことで、転職が有利になり、年収アップ転職が成功する可能性も高まります。
資格は積極的に取るようにしましょう。
勤務地(都市部・地方)による違い
同じ役職・年齢でも、勤務地によって年間100万円以上の差が出ることがあります。物価水準や地域経済の規模、融資額の大きさなどが影響するからです。
年収を重視するのであれば、都市部での勤務を検討するのがおすすめです。一方、UターンやIターンで地方での就職を考えている場合、事前に給与水準を調べておきましょう。
営業成績・ノルマ達成度
どの金融業の営業職でも、営業成績は昇進や賞与に直結します。そのため、よほど昇進しきらない限りは、年収アップをしたいのであれば営業からは逃れられません。
昇進しきったとしても、支店ごとに割り当てられたノルマがある場合もあります。そのため、数字を追い続ける環境は変わらないでしょう。
もし、「営業が辛い」のであれば、他業種に目を向けるのもひとつの手段になります。
長期勤務・年功序列
信用金庫は年功序列の色が強く、長く勤務するほど年収が上がる傾向があります。
たとえば、千葉信用金庫では等級制度があり、試験合格や資格取得をしても一定の年数勤めないと、昇進できなくなっています。
入社してすぐに大幅な年収アップは見込めません。しかし、長く勤めることで着実に年収が増加し、ライフプランが立てやすいメリットもあります。
昇進・昇格
昇進は年収アップの最も確実で効果的な手段です。同じ年齢でも昇進が早い人は、同世代より年収が大幅に高くなります。
信用金庫では、係長、課長、支店長代理、支店長といったキャリアパスが整っており、それぞれの役職には明確な給与テーブルが設定されています。
昇進により大幅な年収アップを望むことが可能です。今の業務が好き・誇りを持っている場合は努力を重ね、昇進・昇格を狙うのは最善策のひとつといえるでしょう。
信用金庫員が年収アップを実現する3つのキャリアパス
最後に、信用金庫員が今よりも年収アップを実現する方法についてご紹介します。
信用金庫内で昇進・昇格を実現する
年収アップを目指すなら、信用金庫内で昇進・昇格を目指すのが王道です。
信用金庫は年功序列の給与体系が根強いため、長く勤務し、着実にキャリアを積み重ねることで年収を上げられるからです。支店長などの高い役職に就けば、年収1,000万円超えも目指せます。
昇進・昇格を実現する方法
- 昇進要件の把握
- 資格の早期取得
- 成績の安定化
- マネジメント経験の積み上げ
日々の業務でスキルを磨き、部下の育成やマネジメントをして、上司から高く評価されるように努力しましょう。
銀行員に転職する
信用金庫員よりも年収の高い銀行員に転職するのもひとつの手段です。
信用金庫での経験は、顧客対応や融資、営業といった面で銀行業務に共通する部分が多く、即戦力として転職市場でも高く評価されます。
自身の市場価値を知るためにも、まずは転職エージェントに相談し、どのような求人があるか調べてみるのもおすすめです。
他業界へ転職する
信用金庫で培った金融知識、営業スキル、顧客対応力は多くの業界でも活かせます。どのような業界でも、金融業界出身者のニーズが高く、年収アップは実現しやすいといえるでしょう。
たとえば、顧客の経営課題をヒアリングし、解決策を提案する力は、コンサルティング営業として活かせます。
もし、現在の年収に不満があり、新しい環境でキャリアを築きたいと考えるなら、自身のスキルが活かせる他業界への転職を検討してみましょう。
今、信用金庫の年収に不満があるなら転職がおすすめ
着実な年収アップは、ひとつの信用金庫に勤め続けることで期待できます。
しかし、年功序列の傾向が強いため、若手のうちから大幅な年収アップは難しく、出世レースに勝たなければいけません。
もし今、信用金庫の年収や働き方に不満があるなら、転職を視野に入れて行動することがおすすめです。信用金庫で培ったスキルや経験は、転職市場で高く評価されます。特に、顧客との関係構築能力や、金融商品に関する知識は、多くの企業で重宝されるノウハウです。
まずは転職エージェントに相談し、自分の市場価値を客観的に把握することから始めましょう。具体的な転職先や年収の目安を知ることで、今後のキャリアプランを明確にできます。
信用金庫の年収は、他の業界と比べると一般的ではあるものの、同じ金融業界と比較すると低い水準です。転職活動は在職中に進めて、リスクを最小限に抑えながら年収アップを目指し、新しい人生への一歩を踏み出しましょう。