【体験談】金融業界を辞めたいと思った瞬間|銀行・信用金庫・信用組合で働く人ならわかる
細かい事務が多くて大変
ノルマがきつくて辞めたい
金融業界は高年収で安定した職業と、いい面が強調されがちです。しかし、実際に働いてみると、思いがけない問題も多いです。今回は、金融機関で12年間働いた経験を持つ私が「金融業界を辞めたい」と感じた瞬間を共有します。金融業界で働く皆さんも共感できる部分があるかもしれません。
金融業界を辞めたいと思った瞬間
瞬間①|過大なノルマ
金融機関の営業ノルマは過大な場合が多いです。およそ達成が不可能と思われるだけの件数・金額を成約しなければいけません。取り扱う商品はネット銀行・ネット証券などと比較すると手数料・金利が高く、顧客本位の資産形成に寄与できる機会は少ないです。ノルマについての進捗管理も厳しく、毎日のように詰められる場合もあります。
瞬間②|ワークライフバランスが悪い
意外かもしれませんが、ワークライフバランスの取れていない金融機関は多いように見受けます。所属部署や上席の考えによる場合も多いですが、私の勤めていた金融機関では早朝・サービス残業は当たり前にありました。片道1時間以上の店舗に配属された時は通勤でクタクタになってしまいました。また、完全週休2日制とはいえボランティア活動などに参加しないといけない場合も。若手は積極的に参加しないといけません。他に帰宅してから資格試験の勉強も必要です。受験のために休日を犠牲にしなくてはなりません。
企業や所属部署にもよりますが、有給休暇は取得しづらい雰囲気がありました。実際に私は有給休暇を消化できずに毎年過ごしていました。退職時にも有給休暇を全く消化できませんでした。
瞬間③|顧客対応のストレス
金融機関はサービス業のような側面も強う、顧客との距離が非常に近いです。魅力的な部分でもありますが、一方で、顧客からのクレーム対応や、無理な要求に対処すべき場面もあります。たとえばコンプライアンス上遵守しないといけないルールがあります。しかし、顧客から「事務が煩雑」「待ち時間が長い」などのお叱りを受ける場面があります。
必要な提出書類を説明しても理解いただけないのは辛かったです。
瞬間④|本部との摩擦
金融機関は上位下達の文化となっている場合が多いです。本部から過度なノルマや報告書類の提出を義務付けられることもあります。本部からの指示には疑問を感じる場合も多いです。本当にお客様のためになる商品なのか、金融機関を守るためのルールではないのかと何度も葛藤しました。
瞬間⑤|職場の人間関係
金融機関では内部の上司や同僚との関係を良好に保つことも重要です。しかし、職場の人間関係がうまくいかないと、働くことが辛くなります。特に、上司との意見の食い違いや、同僚との競争が激化すると、ストレスが溜まります。
金融業界を辞めたい時の対策
対策①|社内サポートの活用
信頼できるメンターや上司に現状の悩みを相談し、アドバイスを受けることが有効です。経験豊富な人からの助言は、視野を広げる助けになります。
多くの企業では、社員のメンタルヘルスやキャリア支援のためのプログラムが提供されています。これを活用して、専門家からのサポートを受けましょう。
対策②|ワークライフバランスの改善
効率的な時間管理を行い、仕事とプライベートのバランスを取り戻す努力をします。タスクの優先順位をつけ、無駄な残業を減らすことが重要です。
可能であれば、リモートワークを取り入れて柔軟な働き方を実現することも一つの方法です。通勤時間の削減や自宅での業務によって、ストレスの軽減が期待できます。
対策③|社外の人との交流
業界内のセミナーや勉強会に参加し、他の金融機関で働く人々と交流することで新しい視点を得られます。
異業種のプロフェッショナルとの交流を通じて、新しいキャリアの可能性や働き方に関するアイデアを得ることも大切です。
対策④|短期間の休職
有給休暇を取得し、しばらく仕事から離れてリフレッシュすることも重要です。休息を取ることで、冷静にキャリアを見つめ直す時間を持てます。
長期間の休職が必要な場合は、会社の休職制度を利用して心身の回復を図ることも検討しましょう。
対策⑤|自分へのご褒美
目標を達成した時や頑張った自分へのご褒美を設定し、モチベーションを維持します。小さな成功体験を積み重ねることで、ポジティブな気持ちを保つことが大切です。
金融業界経験者におすすめの転職先
金融業界での経験は、多くのスキルや知識を培うことができるため、他の業界や職種への転職においても非常に有利です。以下に、金融業界経験者におすすめの転職先を紹介します。
コンサルティング業界
金融業界で培った分析力や問題解決能力を活かして、企業の経営戦略を支援する役割に就くことができます。
ファイナンシャルアドバイザリー、企業のM&A(合併・買収)や財務戦略の立案・実行支援を行うポジションも金融業界での経験が活かせます。
IT・テクノロジー業界
金融とテクノロジーを融合させたFinTech企業では、金融業界の知識を活かして新しい金融サービスの開発に携わることができます。
不動産業界
金融業界でのファイナンス知識を活かして、不動産の投資分析や資金調達を行う仕事に転職することができます。
企業内の財務・経理部門
企業の資金調達や資金管理、投資戦略の立案を担当するポジションで、金融業界の経験が役立ちます。
企業の会計処理や財務報告、内部統制の強化などを担当するポジションもおすすめです。
保険業界
顧客のニーズに合った保険商品を提供するためのコンサルティングを行う仕事で、金融知識が活かせます。保険商品のリスク評価や価格設定を行う専門職で、数理的な分析能力が求められます。
公共セクター・非営利団体
金融監督や政策立案、規制の執行を行う政府機関や規制当局で働くことで、社会全体の金融システムに貢献できます。
国際的な金融機関や非営利団体で、金融包摂や開発援助に携わる仕事もあります。
金融業界から転職する方法
金融業界から転職する方法について、ステップごとに詳しく解説します。以下の手順を参考にすることで、スムーズなキャリアチェンジが可能です。
①自己分析を行う
自分の強みとスキルを明確にする: 金融業界で培ったスキルや経験を洗い出し、それを他の業界や職種でどのように活かせるかを考えます。
興味のある分野を特定: 興味を持っている業界や職種をリストアップし、自分の価値観やキャリア目標に合っているか確認します。
②情報収集を行う
インターネット、書籍、業界団体などを利用して、興味のある業界や職種の動向、求められるスキル、将来性などを調べます。
転職を考えている企業について、その企業文化、業績、従業員の声などを詳しく調べます。
業界のイベントを通じて、転職先の業界で働くプロフェッショナルとつながり、実際の業務内容や職場環境についてのリアルな情報を得ます。
同僚や友人に相談: 金融業界を離れた経験を持つ知人に話を聞き、転職のアドバイスや具体的なステップを学びます。
③スキルアップや資格取得
オンラインコースやセミナー: 新しい分野で必要とされるスキルや資格を取得するために、オンラインコースやセミナーに参加します。Coursera、Udemy、LinkedIn Learningなどのプラットフォームを活用します。
専門資格を取得することで、自分の市場価値を高めます。
④履歴書や職務経歴書の更新
金融業界での経験を、新しい職種や業界に関連付けてアピールします。例えば、データ分析のスキルをマーケティング分析に応用するなど。
数字や具体例を用いて、自分の成果を強調します。例えば、「年間売上を20%増加させた」など。
なぜその業界や企業に興味を持ったのか、自分のスキルがどのように役立つかを明確に示します。
応募先の企業やポジションに合わせて、カバーレターをカスタマイズします。
⑤転職活動を計画的に行う
リクナビ、マイナビ、LinkedInなどの求人サイトや転職エージェントを利用して、幅広い選択肢を検討します。
友人やキャリアコーチと模擬面接を行い、フィードバックをもらいます。
面接でよくある質問と、それに対する自分の回答を準備します。
⑥自分に合った職場環境を見つける
可能であれば、転職を考えている企業を訪問したり、従業員とインフォーマルなミーティングを行い、企業文化や働き方を確認します。
まとめ
金融業界で働く人々が「辞めたい」と感じる主な理由は、過大なノルマ、悪いワークライフバランス、顧客対応のストレス、人間関係の問題、本部との摩擦です。これらの要因が重なり、精神的・肉体的な負担が増すことがあります。