金融業界
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銀行員とは?仕事内容や年収・キャリア・将来性の現実を元金融機関の職員がわかりやすく解説

マコ
記事内に商品プロモーションを含みます。
  • 銀行員って何をするの?
  • 銀行の営業は何を売るの?

銀行員は真面目で堅実、安定したエリートサラリーマン

こんなイメージが強いかもしれません。私も金融機関に入社する前はそんなイメージを持っていました。しかし、実際はエリートとは程遠く泥臭い誰でもできるパソコン仕事、コンプライアンスに縛られた煩雑な書類仕事が中心です

営業では、よくノルマの辛さについて語られますが、イメージ通りとてもしんどいです。時には顧客のためにならない商品を販売しないといけないこともあります。

マコ
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金利の高いフリーローン

手数料の高い外貨建て保険・投資信託

などは売るのがつらかったです。

本記事では預金業務や貸付業務など多岐にわたる業務を紹介。銀行員の具体的な仕事内容、1日のスケジュール、求められる能力、収入、そして銀行員になるための方法について詳しく解説します。

マコ
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私は銀行での勤務経験はありません。しかし、地域金融機関での勤務経験はあるので、業務や業界の内情をお伝えできます。

自己紹介

信用金庫で12年の勤務経験あり

金融業界→IT業界へ転職した経験あり

転職により初年度年収で100万円以上アップ

マコ

この記事では、私の勤めていた信用金庫の実際の職務内容をベースに記載します。ですから、メガバンク、政府系金融機関などの銀行の勤務内容と異なる点は多いかもしれません。あらかじめご了承ください。

銀行員とは

銀行員とは

銀行員とは、銀行で働く職員のことを指します。

主な業務は、顧客に対して預金、融資、為替などの金融サービスを提供することです。

  • 預金・・・口座の開設・入出金のOP (端末操作)・諸届(住所変更・紛失届)の手続きなど
  • 融資・・・車ローンの受付・融資の登録OP・稟議申請・条件変更対応(融資の変更)など
  • 為替・・・銀行間の送金、銀行内部の振込、海外送金、外貨両替など

具体的には、口座の開設・管理、資金の振込、ローンやクレジットの相談対応、投資商品の案内など、さまざまな金融関連の業務を行います。

銀行員は、顧客の資産を管理し、経済活動を支える重要な役割を担っています

また、経営分析やリスク管理、内部監査といったバックオフィス業務も銀行の運営に欠かせないものです。銀行員は金融知識に加え、営業やコンサルティングの能力が求められる職業です。

銀行員は堅実?

銀行員は堅実というイメージは強いようです。

銀行は万が一の際は公的資金が注入されるというイメージから、他の企業と異なり倒産のリスクが低いと考えられているようです。

ただ、国から助けてもらっていると感じている銀行員少ないでしょう。どちらかというと、金融庁は厳しい上司のように感じているのではないでしょうか。

銀行は潰れないから銀行員は堅実なのか?
あんた達はいいよな。何かあっても税金で国が助けてくれるんだから
私が金融機関で営業をしていた頃、取引先の個人事業主から言われたことがあります。しかし、金融機関も潰れることはあります。
いつも私はこう思っていました。「きっと公的資金の注入による救済措置のことを指しているんだろうな。でも自分の会社は救済措置をしてもらっているわけではない。会社が潰れなくても、私の将来は保証されていないんだけど」と。
そんな愚痴を人に言う時間があるのであれば、会社員をしながら事業をするなどリスクを減らす努力をすればいいのではないか、といつも感じていました。
マコ
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自分の事業が大変だと言いたいんでしょうが、私に言われても困ります。

銀行員になるためには

銀行員になるためには特別な資格は必要ありません。

就職の際に必須とされる条件は以下のものが多いです。

  • 4年制大学を卒業
  • 普通自動車免許

他に必要とされる条件は「外務員資格」くらいです。

≫ 証券外務員一種と二種試験内容を合格者が徹底解説

銀行員として、キャリアアップするためには大学卒業を目指すことがおすすめです。

銀行員になるためのおすすめの学部
経済学部
経営学部
商学部
マコ
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私は経済学部で会計を専攻していました。

銀行で働くのが向いている人・向いていない人

これから銀行で働こうと感じた人に、向いている人・向いていない人を解説します。

向いている人
向いていない人
  • メンタル強い
  • 事務スキルが高い
  • コミュニケーション能力高い
  • 生活の安定重視
  • 体力を使う営業が苦手
  • 試験勉強をしたくない
  • メンタル弱い
  • 若いうちに高年収を目指す
  • 様々な業務を経験したい

向いている人①|メンタル強い

銀行はストレスが多い環境であるため、メンタルが強い人に向いています。厳しいノルマをクリアするためには、プレッシャーに強く、困難な状況でも冷静に判断できる能力が必要。

また、顧客からのクレーム対応や、詰め文化に耐えるには、精神的に強い人でなければなりません。働くことがストレスにならない、またはストレスを上手にコントロールできる人が、金融業界に向いています。

マコ
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ストレス耐性のある人でないと厳しいでしょう。

向いている人②|事務スキルが高い

銀行では事務作業。具体的には伝票・書類の記載、端末オペ(通帳記帳などを操作する事務)など、事務作業が中心です。

また、コンプライアンスを遵守しながら、正確かつスピーディーに業務を遂行する能力も求められます。このため、事務スキルが高い人、細部にまで注意を払って作業ができる人が向いている仕事です。

マコ
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新人時代にオペミス(事務ミス)の多かった私ですが、業務に慣れればある程度はミスは減りました。慣れるまでが大変です。

向いている人③|コミュニケーション能力高い

銀行での業務は、顧客との対話や部門間の調整など、多くのコミュニケーションが求められます。特に、営業職や顧客対応する窓口業務では、顧客のニーズを理解し、適切な商品やサービスを提案する能力が必要です。

社内でのコミュニケーションも重要で、他部門との連携や上司への報告など、スムーズなコミュニケーションが業務の効率化につながります。そのため、人とのコミュニケーションを得意とする人が向いています。

向いている人④|生活の安定を重視

銀行は給与が安定しているため、生活の安定を重視する人に適しています。また、給与体系が確立されていて、福利厚生も充実しています。

また、コンプライアンスの観点から業務の持ち帰りはNG。ですから、仕事とプライベートは明確に分かれています。プライベートを重視する人にとって銀行員は魅力的な職場かもしれません。

マコ
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オン・オフがはっきりと分かれている点は魅力的。

以下では「銀行で働くのは向いていないかも・・・」という人の特徴をあげます。

向いていない人①|体力を使う営業が苦手

銀行では足を使った泥臭い営業を行う場合も。訪問数のノルマを課せられている場合もあり、一日に多くの場所を訪れるため体力は必要です。

また、顧客の要望に応じて夜遅くまで営業活動を行うこともあります。そのため、体力に自信がない人や、毎日必ず定時で帰りたいという人にとっては、銀行営業には適していないかもしれません。

向いていない人②|試験勉強をしたくない

銀行では、多くの資格試験を受けなければいけません

資格は専門知識を証明するために必要であり、昇進や給与アップに直接影響する場合も。ですから、試験勉強をしたくない人は銀行員に適していないかもしれません。

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逆に勉強が好き!って人は銀行をはじめ金融業界に向いています。

仕事と並行して試験勉強をするのは大変です。当然プライベートの時間を削ることになります。ストレスに感じる人は、他の業界での就職や転職を検討がおすすめです。

≫ 金融業界のおすすめ資格まとめ

向いていない人③|メンタル弱い

金融業界は、厳しいノルマや詰め文化、長時間労働など、メンタルに大きな負荷がかかる場面が多いです。また、顧客対応やクレーム対応、試験勉強など、ストレスを感じるシチュエーションも多く存在します。

ですから、メンタルが弱い人、ストレスに弱い人にとっては、金融業界での仕事は適していないかもしれません

≫ 【退職者が語る】金融業界への就職・転職はやめとけ

向いていない人④|若いうちに高年収を目指す

銀行は、経験年数に応じて給与が決まる場合が多いです。若いうちから非常に高い年収を目指す場合、金融業界が最適な選択とは言えません。

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いわゆる年功序列の色合いが強いです。

若いうちに高年収を得ることを最優先に考える人は、自分のスキルや適性、キャリアプランを考慮した上で就職や転職を検討することをおすすめします。

たとえば以下のような業界や企業です。

  • コンサルタント業界
  • 外資系企業
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金融業界でも完全歩合制の保険営業や証券会社の営業なら若いうちから高年収を目指せます。ただ、激務であることは覚悟しておきましょう。

向いていない人⑤|様々な業務を経験したい

銀行では、一般的には特定の職種や業務に特化して経験を積むことが求められます

  • 融資
  • 投資信託
  • 保険商品
  • コンプライアンス

様々な業務を経験したい、多角的なスキルを身につけたいと考えている人にとっては、銀行での仕事は適していないかもしれません。

マコ
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たとえばパソコンスキルを身に付けたいのであれば、銀行で働いていてもスキルアップできないでしょう。

若いうちから様々な業務経験を積みたいと考えている人は、他の業界での就職や転職を検討することをおすすめします。

ここまでお読みいただいて「金融業界で働いてみたい!」と感じた人は、次の記事を参考におすすめ転職エージェントを選んでください。

≫ 金融業界に強いおすすめ転職エージェント

銀行員の就職先

銀行員が働ける就職先は様々。

よくTVCMなどで目にするメガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)以外にも様々な銀行があります。以下では各銀行の特徴について解説します。

銀行の種類説明
都市銀行(都銀、メガバンク)全国規模で営業を展開する大手銀行です。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行
地方銀行(地銀)特定の地域を中心に営業する銀行です。横浜銀行、千葉銀行、静岡銀行
第二地方銀行かつての相互銀行から普通銀行に転換した銀行です。京葉銀行、東和銀行
ネット銀行インターネットを主な取引チャネルとする銀行です。楽天銀行、ジャパンネット銀行
政府系金融機関日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などがあります。特定の政策目的のために設立された金融機関です。日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、日本政策投資銀行
労働金庫(ろうきん)労働者のための福祉金融機関です。中央労働金庫、近畿労働金庫、東海労働金庫

他にも信託銀行、JAバンクやJFマリンバンクなどがあります。

銀行のカースト上位はどこ?
銀行のトップと言えばどこの銀行になるのでしょうか?
年収なのか、知名度なのか、企業の財務状況なのか。何を重視するかによって異なりますが、一学生の人気度ランキングトップクラスの都銀が候補として挙げられるかもしれません。ドラマ「半沢直樹」の影響で「エリート銀行員=メガバンク出身」というイメージは強いでしょう。
しかし、私は金融のトップは政府系金融機関ではないかと思っています。企業としての基盤、年収、知名度どれをとってもトップクラスです。さらに異業界では外資系コンサル、外資系の保険営業などさらに上を目指せます。
マコ
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私も就職活動していた時の第一希望は商工中金(商工組合中央金庫)でした。三次面接であえなく落ちましたが・・・

銀行員の業務内容

預金業務個人向け営業法人向け営業融資業務本部業務
顧客からの預金の受け入れや管理預金、ローン、保険などの金融商品提案企業への融資提案個人や企業への融資・貸付各業務の営業店支援
口座開設・解約、入出金手続きライフプランに合わせた提案事業資金の管理アドバイス融資の審査、判断営業店の監査業務
住所変更や改印などの諸届対応金融商品の提案返済管理、督促
相続や差押えなどの手続き担保の管理・処分

業務内容は各銀行や店舗によって異なりますが、概ね上記のとおりです。

預金業務

預金業務は、銀行員にとって基本的かつ重要な業務の一つです。具体的な業務内容は以下の通りです。

業務内容具体的な業務
窓口業務の受付新規口座開設
入金・出金手続き
定期預金の開設や解約
振込・送金の受付国内外への振込手続き
送金の受付と支払い
両替外貨両替
円貨両替
各種手続住所や印鑑、代表者の変更
通帳やキャッシュカードの紛失・再発行
相続や差押えの手続き
窓口セールス各金融商品の案内や説明
現金管理窓口での現金の取り扱いと管理
ATM管理ATM操作の補助や障害対応

具体的な業務内容を私の経験をもとに解説します。

窓口業務
預金業務で一線を担う業務で、若手女性社員が担当することが多いです。しかし、ベテランでも困るような内容の相談も多いです。単純な入出金であれば端末操作のみで迅速に対応できます。しかし、確認書類の多い新規口座開設、個別ケースごとに対応が異なる相続では後方の役席も同席しなければ難しい事例も多いです。銀行窓口と言えばきれいな女性が多く、洗練された職場のように感じるかもしれませんが、見た目ほど華やかな世界ではありません。
振込・送金の受付
振込・送金の受付も基本的に受付業務が担当。振込は事務処理を誤ると他の銀行や関係のないお客様にも影響を与えるため、より正確性が求められます。くわえて時間管理も重要。決められた時間までに手続きをしなければ、重大な事務事故につながる可能性も高いです。また、国外への送金は手続きは通常と事務フローが異なるため専任者が配属されている場合が多く、専門的な知識が求められます。
両替
飲食店がお釣り用に硬貨を用意する、婚礼式用に新札を用意するなどと言った場面で必要になる円貨両替。現金の管理はコスト・リスクが高く、キャッシュレス化の流れもあり、両替業務は縮小傾向にあります。外貨両替も含めて今後は取扱いがなくなる可能性が高いです。
各種手続き
金融機関ではサービスに付帯する手続き業務(諸届と言われます)もしなければなりません。住所変更や印鑑の変更、通帳やカードの紛失対応など顧客の情報に関する事務仕事が基本です。正確な事務処理が求められる割に、手数料などの収入は低いため、ネット受付に切り替える金融機関も多いです。
窓口セールス
窓口担当にも営業ノルマが課せられている場合があります。「最低でも5人にはお声かけしましょう」、「1日1件はライフプランシートをいただくように」といった具合に。営業ほど具体的なノルマではありませんが、窓口でも商品の勧誘は必須。当然商品知識も求められます。
現金管理
金融機関には出納係という現金管理をする部署があります。実際の現金有高と勘定が一致しているか毎日チェックします。「1円でも足りなければ銀行員は帰れない」と、言われるくらい現金の管理は重要な業務。(本当に原因がわかるまで職員全員で探します)ちなみに出納係は男性が担当する場合も多いです。
ATM管理
ATMの管理を行う場合も。ATMの現金補充やトラブル(硬貨が詰まったなど)対応などの対応が主な業務内容。ATM操作を顧客に案内を若手や嘱託職員が実施することも多いです。金融機関によっては外注する場合もあります。

預金業務は楽な仕事?

銀行員は17時にピッタリ退勤できる楽な仕事。そんなイメージはないでしょうか。段取りよく業務ができれば、17時で退勤できる場合は多いです。ただ、楽な仕事ではありません。端末OPや検証業務など迅速・正確に対応しなければならず、特に5と10日のつく日は「5・10日(ごとうび)」と言われ、作業量が多くなる場合も。「17時に帰れていい仕事」といイメージで金融機関で働くと後悔する可能性が高いので注意しましょう。

個人向け営業

個人向け営業では、主に個人顧客に対して金融商品やサービスを提案・販売する役割を担います。具体的な業務内容は以下の通りです。

業務内容具体的な業務
既存顧客の対応預金、ローン、保険などの金融商品の提案
新規口座開設や既存口座の管理
運用商品の提案投資信託、保険商品、債券などの商品の提案
顧客のライフプランに合わせた資産運用のアドバイス
個人ローンの提案車ローンの提案
住宅ローンや教育資金ローンの相談対応
相談業務年金や相続に関するアドバイス
既存顧客の対応
個人向け営業では、既存顧客の対応が中心。金融機関によって異なりますが、集金や預金や保険の満期管理、投資信託のアフターフォローなどを行います。そうした既存取引により顧客と関係を構築し、新しいローンのニーズや投資信託の提案に繋げることができます。世帯取引を拡充することで、より収益を確保しなければなりません。
運用商品の提案
運用商品の提案は個人営業が重要な役割を担っています。法規制もあり、法人営業が融資先に保険・投資信託を販売することは難しい、もしくは販売できない場合もあるからです。大口預金先への運用ニーズを聞き取り、さまざまなリスクを避けるための保険提案を行います。
個人ローンの提案
個人ローンの提案も個人営業の重要な仕事。既存顧客から車の購入や住宅ローンのニーズを聞き取りすることで案件獲得を目指します。他に軽微な督促業(所在確認、入金依頼など)を担うこともあり、融資業務を担当することも。
相談業務
金融機関が提供するサービス以外にも相談に乗ることもあります。代表的な例が年金の受給についてです。年金事務所から届いた書類をもとに年金の受け取り手続きを案内します。他に家計に関すること全般の相談に対応し、専門的な内容は税理士ともタッグを組んで業務を行うこともあります。

営業と事務どっちが偉い?

個人営業にとって重要な業務はたくさんありますが、最も重要なことは事務担当とのコミュニケーションではないでしょうか。金融機関の仕事は担当のみで完結することは稀。ですから、正確・丁寧に書類仕事で事務担当に信頼される営業になることが重要です。「営業の方が偉い」という尊大な気持ちはこらえて、事務担当にお願いしなければいけません。どちらが偉いではなく、チームワークをもって取り組まないと円滑に業務を進められないでしょう。

法人向け営業

法人向け営業では、主に企業を対象に金融商品やサービスを提案・提供する役割を担います。具体的な業務内容は以下の通りです。

業務内容具体的な業務
企業訪問企業の財務状況や経営課題をヒアリング
経営者や財務担当者との面談を通じて関係を構築
新規顧客の開拓と既存顧客のフォローアップ
企業の成長段階に応じた金融サービスの提供
融資提案企業の資金ニーズに合わせた融資商品の提案
新規設備投資、運転資金、事業拡大などに対応した資金調達方法の提案
金融商品提供投資信託、債券、デリバティブ商品などの説明と販売
企業のリスクヘッジや資産運用のサポート
コンサルティング業務企業の経営改善や資金繰りのアドバイス
M&A(合併・買収)や事業再生のサポート
リスク管理企業の信用リスクや市場リスクの評価
貸出金の返済能力のチェックとリスク低減策の提案

法人営業は花形?

法人営業は金融機関で花形業務と言っていいでしょう。「内部管理責任者の権限が強い」、「融資次長が一番重要」などさまざまな意見があるかもしれませんが、経営者の苦悩を真摯に受け止め課題解決に挑み、融資提案し、上長や本部と交渉し顧客の思いを実現する。実にやりがいのある業務で、融資実行日には感動する時もあります。やりがいある金融の花形業務です。

融資業務

融資業務は、個人や企業に対して資金を貸し出すことを主な目的としています。具体的な業務内容は以下の通りです。

  1. 顧客対応
    • 資金ニーズのヒアリング
    • 融資の相談・提案
  2. 審査業務
    • 顧客の信用調査
    • 返済能力の評価
  3. 契約手続き
    • 融資契約書の作成
    • 担保の設定・管理
  4. 資金の貸し出し
    • 融資金の振り込み
    • 返済スケジュールの設定
  5. 返済管理
    • 返済状況のモニタリング
    • 延滞時の対応
  6. リスク管理
    • 貸し倒れリスクの評価
    • リスク低減策の実施

融資業務は銀行の収益に直結する重要な業務であり、顧客との信頼関係と高い専門知識が求められます。

督促って実際どんな感じ?

督促業務は怖いってイメージありませんか。私は業務にあたるまで不安でした。主に督促業務は融資の返済が遅れている人に「早く返済してください」と、伝えることです。「相手が怖い人で怒鳴られたらどうしよう」と感じていました。しかし、実際は怒り出す人はいませんでした。どちらかと言うと、督促するこちら側が呆れるくらいズボラな人が多いです。何かと理由をつけて応じてくれず、返済に至らない場合の方が多いです。しかし、督促において重要なのは「返済の交渉経過を記録すること」。厳しい交渉をすることはほとんどありません。

本部業務

本部業務は、銀行全体の運営や各営業店のサポートを行う重要な役割を担います。具体的な業務内容は以下の通りです。

  1. 企画・戦略立案
    • 銀行の経営戦略や営業方針の策定
    • 新商品の企画・開発
  2. リスク管理
    • 信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスクの管理
    • リスク評価と対策の策定
  3. 財務管理
    • 銀行全体の資金繰りの管理
    • 決算業務や財務報告
  4. 法務・コンプライアンス
    • 法令遵守のための体制整備
    • 内部監査や外部監査への対応
  5. 人事・総務
    • 人材採用、育成、評価
    • 労務管理や福利厚生の運営
  6. 情報システム
    • 銀行のITインフラの整備・運用
    • セキュリティ対策やシステム開発

本部業務は、銀行の持続的な成長を支えるための中枢となる業務であり、高度な専門知識とマネジメント能力が求められます。

本部はエリート?営業店で使えない人?

営業店で「業績が悪化したら真っ先にクビになるのは本部の事務仕事しかできない人材だろうなぁ」と話している職員がいました。本当にそうでしょうか?たしかに私の体感としては7割くらいは担当業務が専門的すぎて、配置換えに悩みそうな人材という感じがしました。ただ、「使えない人材が本部に行く」というのは発想が安直だとも思います。特に有望な人材は経験のために多様な部署で経験を得られることが多いので、本部行きが決まったらエリートコースと言われることも多いです。

銀行員の1日のスケジュール

銀行員ーの1日は、内勤業務と営業職に分けて以下のようなスケジュールです。

内勤業務

時間業務内容
8:00 – 9:00出勤し、窓口業務の準備や事務連絡を確認します。
9:00 – 12:00窓口での顧客対応、預金や振込、各種手続きの処理を行います。
12:00 – 13:00昼食休憩。
13:00 – 15:00デスクワーク、資料作成、内部会議などを行います。
15:00 – 17:00窓口業務の最終確認、金銭の精算、翌日の準備を行います。

昼食休憩取れる?

内勤業務は時間に追われるため、なかなか休憩が取りづらいイメージがあるかもしれません。前半(11:30~12:30)、後半(12:30~13:30)に分けて昼食休憩を取ることが多いです。窓口の混雑状況などによりますが、きちんと休憩は取れるケースは多そうです。そもそも最近では人員削減により昼休憩を実施する金融機関も多いので、休憩が取れるでしょう。

渉外業務のスケジュール

時間業務内容
8:00 – 9:00出勤し、訪問先の準備や事前会議を行います。
9:00 – 12:00企業訪問や顧客対応を行い、経営状況の確認や融資相談も受け付けます。
12:00 – 13:00昼食休憩。
13:00 – 15:00新規顧客の開拓や既存顧客との打ち合わせを行います。
15:00 – 17:00銀行に戻り、デスクワークや資料作成、分析を行います。

外食ランチは営業の楽しみ

営業をしていると、「昼食何を食べるか?」というのが楽しみの一つ。営業をしていると、顧客訪問できない昼の時間は外食ですませることが多いです。こう聞くと、仕事をしていないじゃないか、と思われたかもしれません。しかし、取引先のお店でする食事をすることは関係構築の上でもかなり重要です。ということにしておきましょう。

銀行員に求められる能力

銀行員には以下のような能力が求められます:

  • 責任感: お客様の大切なお金を扱うため、強い責任感が必要です。
  • 正確性と迅速性: 慎重かつ迅速に業務を実行する能力が求められます。
  • コミュニケーション能力: 顧客と幅広い関係を築くための対人スキルが重要です。
  • 金融知識: 経済、税務、不動産などの知識が必要です。

金融機関は資格地獄という噂は本当なのか?

資格地獄は言い過ぎですが、多くの資格試験が用意されていて着実に取得できなければ、出世に影響が出る場合もあります。ただ、「昇進に興味がない」という人は必要最低限の資格を取得すればそれでも大丈夫。働くことはできます。

銀行員の収入

銀行員の平均年収は約783.5万円と言われています。(※1)初任給は約25〜26万円で、経験や役職によって収入が増加します。

※1 「銀行(都市・信託・信金・信組)」の平均年収:日経転職版の年収調査による(2022年11月から2023年10月までの間に登録した新規会員のうち大卒以上に絞った調査)

銀行員の年収は以下のような要因によって変動する可能性があります。

  1. 勤務する銀行の規模や業績
  2. 役職や職位
  3. 勤続年数
  4. 地域(都市部か地方か)
  5. 個人の業績

また、銀行員の年収は一般的に以下のような特徴があります:

  • 新卒入社の初任給は約25〜26万円程度
  • キャリアの初期段階では比較的安定した収入が得られる
  • 管理職になると年収が大きく上昇する可能性がある

近年の金融環境の変化や競争の激化により、銀行業界全体の収益性が低下傾向にあることも考慮する必要があります。そのため、個々の銀行員の年収は、所属する銀行の経営状況や個人の実績によって大きく異なる可能性があります。

時給換算すると高給じゃない?

銀行員は世間よりも高収入。ただ、時給換算すると1,000円未満になるんじゃないかと言われることもあります。朝の始業前の掃除から始まり、夜のサービス残業が常態化していれば割に合わない年収なのかもしれません。最近はコンプライアンスも厳しいため、改善しているかもしれませんが、それでも管理職になれば毎日夜遅くまで業務を行う場合もあります。

銀行員のキャリアアップの方法

銀行員がキャリアアップするための方法には以下があります。

  • 内部昇進を目指す
    • 業績評価で高評価を獲得する
    • 上司や同僚との良好な関係を築く
  • 金融関連の資格を取得する
    • ファイナンシャル・プランナー
    • 証券アナリスト
    • MBAなどの資格

出世に一番影響するのは上司の評価

企業風土によりますが金融機関は縦社会なので、(権力のある)上司に気に入られることが出世に影響します。上司が資格好きな人は資格取得、法人融資が好きな上司には法人融資の実績をアピールすることで、評価される可能性が高いです。この辺りは忖度文化というか官僚的な体制が強い気がします。

まとめ

銀行員は金融業界において重要な役割を担い、預金業務や貸付業務、為替業務など多岐にわたる業務を行います。

高い責任感、正確性、コミュニケーション能力、金融知識が求められ、キャリアアップには内部昇進や資格取得、外国語スキルの向上などが有効です。銀行員としてのキャリアを考える際には、これらの要素を踏まえて自己成長を図ることが重要です。

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証券外務員一種・二種・内部管理責任者資格取得者
信用金庫に12年勤務後、IT業界に転職。証券外務員一種・二種、内部管理責任者資格の他にAFPやFP2級技能士なども保有。キャリアアップや転職のご相談はXのDMか公式LINEから。
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