金融業界の仕事はつらいのか?後方事務・営業が激務できつい・やばいと評判の理由を解説

- 金融業界ってきつそう
- 金融の営業はつらいって本当?
「金融の営業に興味はあるけれど、激務って聞く」
金融業界と聞くと、営業ノルマがしんどい、同僚との競争も激しくメンタルがすり減る場面もあります。
「事務仕事なら17時には帰れるって聞いた。ワークライフバランスが取れていて良さそう」という人も要注意。会社や部署によりますが、楽な仕事はありません。時間に追われ、正確さも求められるレベルの高い業務が大半です。
金融業界のつらさを知った上で「それでも金融業界で働きたい」と感じた人は、一度金融業界特化の転職エージェントに相談してみてください。
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つらさを理解した上で金融で働きたい
本記事では、金融業界の仕事がつらいと感じる理由や、事務・営業の仕事がきついと評判の理由について解説します。

実際に信用金庫で12年間働いた私もしんどいと思う場面は何度もありました。
もし、「これから金融業界で働きたい!」と思っているなら、覚悟を持って臨んでください。
- 金融機関の営業は営業ノルマが多くてつらい
- 事務仕事も楽ではない。正確さと迅速さが求められる
- 金融業界で働きたいなら悪い点も事前に知っておくべき
この記事では、私の勤めていた信用金庫での職務をもとに記載します。ですから、メガバンク、証券会社、保険会社やクレジット会社などの金融機関の勤務内容と異なる点は多いかもしれません。あらかじめご了承ください。
金融業界の仕事がつらいと感じる理由

金融業界の仕事で取扱う商品はお金。電気料金の引き落とし金額が相違する、給料の入金が遅い、ということがあれば生活に支障をきたしますよね。
ですから、金融機関の仕事は正確・迅速が最重要事項。このため、プレッシャーがつらいと感じる人も多いようです。
金融機関はサービス業としての側面も強いです。収益の柱となる貸出金利息、預かり資産収益は法人・個人の顧客から得られます。他のビジネス同様に顧客の要望に応えなければいけません。
また、業界内の競争も激しく、成果が昇進やボーナスに直結する場合も多く、常にスキルアップが求められます。

安定した給料で、定時に帰れる仕事。
という、漠然としたイメージを持つ人も多いかもしれません。
しかし、想像以上に大変なお仕事です。
以下では、金融業界で働くことがつらいと言われる理由について解説します。
理由①|ミスが許されない
預金の振込、引き落とし、融資など金額間違いがあると大変なことになります。
金額相違や入出金、書類不備など日常業務でミスをすると顧客に影響を与える可能性は高いです。以下は金融機関でよくあるミスです。
- 入出金を逆に入力した
- 入力する金額を相違した
- 書類のもらい忘れ
- 印鑑のもらい忘れ
以上の取引は、ハンコのもらい直し、再度手続きをいただくなど顧客に了承を得て、手続きをし直す必要があります。ほとんどのミスはリカバリーが可能ですが、労力・コストがかかり、お客様にもご迷惑をおかけします。
もし、ミスの修正手続きについて顧客に了承いただけない場合は、金融機関が多大な損害・ペナルティを被る可能性も。
このため、ミスをすると自分だけでなく会社全体に影響が及ぶ可能性があります。ミスをしないことは大前提として、金融機関では顧客へのクレーム対応が重要です。
また、顧客へ影響を与えない程度の事務ミスやOPミス(端末操作のミス)などでも報告が必要です。中には、顛末書や始末書の提出が必要な場合も。

「責任に対して給料が見合っていない」と、嘆く同僚がいました。
一般の会社では、ミスとされないような内容でも、厳しい叱責を受けるため、つらいと感じる人も多いようです。
理由②|コンプライアンスに厳しい
金融業界で働く場合は、厳しい法規制を遵守しなければいけません。
法令では特に個人情報の取り扱いに厳しく、お客様の情報は厳正に管理。机の施錠管理や書類の管理を徹底しなければいけません。

机上の整理整頓、書類管理は金融機関で当然の業務。
ですが、書類の整理にリソースを取られすぎて、本来の業務がおろそかになっているように感じました。
外出先や休日でも金融機関としてふさわしい行動が求められます。時折、苦情報告で職員の不正な行動が発覚する場合も。
周囲の評判を気にしながら行動しなければならず、常にレピテーションリスクにさらされているため、つらいと感じる場合も多いでしょう。

地方銀行、信用金庫、信用組合などの地域密着型の金融機関はうわさが広がりやすいので、仕事とプライベートの境目がなくなりがちです。
- レピテーションリスク(評判リスク)
- レピテーションリスク(評判リスク)とは、企業や組織の評判や信頼が損なわれることによって生じる潜在的な損失や悪影響のことを指します。
理由③|ノルマに厳しい
金融機関はノルマに厳しいことで有名です。会社全体、支店単位、そして個人単位でもノルマは課せられています。

私の前職では入社説明会で「ノルマはありません」と説明していましたが、ノルマはあります。
ただ、課せられる目標が過大で、とても達成できるようなものではありません。できないと分かっていながら、行動するのはつらいです。
また、ノルマの管理も厳しく、店内の目標シートや会議でも可視化されます。同僚や部下が達成しているにも関わらず、「自分が店の足を引っ張っている」と、感じることも多いです。
金融機関の営業は外部環境に依存する部分が多いと思います。
外部環境の具体例は以下の通り。
- 担当のエリア・会社
- 担当する時期
- 支店長の方針
自分に力量がなくても表彰される、本当は実力があるのに閑散としたエリアを任されると実績が上げづらい、などのギャップが起こりがち。

「本当は法人融資をしたいのに」と思いながら、個人の集金や預金の満期管理ばかりさせられると、つらいです。
理由④|効率化がしづらい
金融業界では紙媒体の業務が基本であり、業務改善が難しいです。
最近ではDX化が進んでおり、いかに生産性を向上するかが多くの企業にとって重要な事柄です。しかし、以下の観点でDXには時間がかかることが予想されます。
- 共同で使用しているシステムのため変更が難しい
- セキュリティのリスクを十分検討する必要がある
- DX化に抵抗感のあるベテラン職員が多い
最近の金融機関ではタブレットによる受付、インターネットによる申込み、SNSによる情報発信なども増えています。
しかし、書類のデータベース化や稟議申請の効率化など、まだ改善の余地は多くありそうです。

入社する前は「金融業界ってハイテクな設備がありそう」って思っていましたが、案外そうでもなかったです。
こうした業務改革に積極的に意見を出す若手職員は多いですが、ベテラン職員は聞き流すなどの態度をとりがちです。「自分は会社のことを考えているのに」と、つらいと感じる人も多いかもしれません。
理由⑤|自己啓発が求められる
自己啓発というと、小難しく感じるかもしれません。私も入社した時に何のことかわかりませんでした。
自己啓発とは、主に試験勉強のこと。他に読書やセミナーなどもありますが、多くの場合は試験を指します。
具体的には、銀行業務検定や金融検定などの試験です。
金融商品やサービスは頻繁に変わります。新しい金融商品や規制に対応するためには、常に新しい知識を学び続けなければいけません。定期的に資格試験の取得、研修に参加し、自己研さんに励む必要があります。

金融業界以外で役に立ちそうもない資格のため「意味がないのでは?」という意見も多いです。
こうした自己啓発に、勉強が苦手な人はつらいと感じる人がいるかもしれません。
銀行の仕事がつらいという口コミ
金融業界での口コミを探ってみたところ、「ミスして悲しい」などの意見が聞かれました。
デカミスして悲しい、つらい、仕事するのがこわい。
— 24卒銀行員 (@yametaiginnko) February 21, 2025
事務事故になりかけた。
わたしは銀行員向いてない、、
結果、銀行の仕事よく残業ある、そして給料も、ほとんど自分のお金使ってあそこに働く…ご飯もできないくらいの給料から無理や、運悪すぎる…生きるつらい…
— Air (@O2NotIncluded) June 11, 2021

私も若い時はミスの一つ一つに叱責されて、つらかったです。
金融業界の事務職がきついと評判の理由

金融業界で重要な事務職。しかし、正確性と迅速な対応が求められるためきついと感じる人も多いようです。
金融事務には以下のような業務があります。
- 預金・為替の窓口
- 事務OPや書類整理の後方支援業務
- 書類を検査する検印席
- 相続・諸届業務
- 融資窓口
- 消費性ローン・住宅ローンの審査事務
- 融資稟議・財務分析
以上の業務がきついと言われる理由を解説します。

正確にできて当然。ミスがあれば怒られる厳しい仕事です。
理由①|正確性が求められる
金融業界の事務職は、書類のチェックやデータ入力、取引の記録など、正確性が求められる業務が多いです。
ミスが許されないため、緊張感を持って業務にあたる必要があります。
厳しい役席からは書類の並べ方、チェックの付け方すら注意されることも。きちんと整理された書類でないと、回付してくれない上司もいます。
正確にできて当たり前。褒められることはまずありません。ですから、きついと感じる人も多いでしょう。
理由②|迅速な対応が求められる
金融機関の窓口では迅速な対応が求められます。お客様を目の前で待たせているわけですから、当然です。
ただ、単純な入出金や振込なら短時間で終わるからいいのですが、諸届や相続の手続きになると必要書類も多く、検印席で書類が止まってしまう時も。

担当者の処理が早くても、検印席がよくわからず本部に確認するために止まってしまうという事例はよくあります。
よく「待ち時間が長い」というお叱りも聞きます。こうした声にきついと感じる人も多いでしょう。
理由③|単調な作業が続く
金融業界の事務職は日々の業務がルーチン化しており、単調な作業が続くことがあります。
事務仕事がきついのは単調な業務でしょう。

繁忙日は同じ事務OPをしていて気が滅入りることもしばしばあります。
同じ作業を繰り返すことにストレスを感じる人も多いです。
営業職がきついと評判の理由

金融業界で花形の営業職。ドラマなどの影響で華々しい世界と思われがち。ただ、営業ノルマがきついと感じる人も多いです。

実際にノルマが嫌で辞める人もいました。
金融営業には以下のような業務があります。
- 個人への投資信託、保険商品提案
- 個人への車ローン、教育ローン提案
- 住宅ローンの相談対応
- 運転資金の提案
- 設備資金の提案
- 事業者への経営相談
以下では営業職がきついと言われる理由を解説します。
理由①|過度に高い目標が求められる
営業職は常に高い売上目標を達成することが求められます。
どこの企業でも同様ですが、毎年予算が定められています。当然売上の目標も定められており、営業には「これだけは確実に達成しないといけない」というノルマが存在します。
ただ、販売するお客様は人間です。自分の思った通りに成約できないのは当然。達成できないと、同僚や上司など周囲からの目線も気になりますし、自己肯定感も下がります。
特に金融の営業では、お客様が損する可能性の高い商品を販売しなければいけません。カードローンなどはその典型例です。
利息の高い商品を販売して、増加した利息収入分だけお客様は不幸になる可能性が高いわけですから、やるせない気持ちになります。
また、投資信託などもネット証券と比べると手数料が非常に高く、「フィデューシャリー・デューティー(顧客の利益を最優先する)」を考えるならば、他社の商品を紹介した方がいいのではないかと自問自答します。

ノルマも嫌ですが、顧客が損をする可能性の高い商品を販売する必要があることが嫌でした。
理由②|顧客の要望に応えなければならない
金融機関でも他の営業と同様に、顧客の要望に応えなければなりません。ただ、中には無理難題を要求する顧客も。
ただ、どうしても対応できない要望もあります。振込受付ギリギリの時間で大量の振込依頼、書類不足だが融資を通して欲しい、などです。対応したくても、できずにつらいと思うことは多いです。
私が一番困ったのは、融資先からの金利引下げの要望でした。金利引下げの稟議申請のためには強い根拠がないと厳しいです。たとえば、「他行から具体的に何%の金利で提案されているが何%まで下げれば流出を防止できる」など。
ただ、経営者はなかなか情報を出してくれません。「とりあえず言ってみて、どこまで引下げできるか試そう」という思惑なのかもしれませんが、情報が何もないとこちらもどう稟議申請すればいいのかわかりません。
結局、他行情報を聞いて、多少の金利引下げを実施するのですが、あまり喜ばれません。しかも上司や本部からは顧客管理がなっていないと叱られることも多いです。
理由③|会社内での競争が激しい場合も
私の勤めていた金融機関は社内での競争は激しくありませんでしたが、中には学歴派閥や出世競争の激しい会社もあるようです。
競争というほどではありませんが、営業実績の達成度が会議で公表されるため、きついと感じる人も多いようです。

会社や店舗の雰囲気によるかもしれませんが、競争が厳しいというより、切磋琢磨して励まし合うケースが多いと思います。
金融業界で比較的きつくない仕事
金融業界の中でも比較的きつくない仕事はあります。何を基準にきついと感じるかは人それぞれですが、業務量・営業ノルマ・責任の重さなどの観点で判断されることが多いと思います。
以下の部署で働けば楽できるというわけではありません。あらかじめご承知おきください。
①事務OP専任部門
金融事務は窓口や電話での顧客対応、文書作成など事務業務全般を担当し、比較的定型的な業務が多く、営業職などと比べてストレス溜まる業務は少ない傾向にあります。
特に事務OPと言われる端末操作はパートタイマーや嘱託社員が行う場合が多いです。
- 事務OP (オペレーション)
- 金融機関の事務OP(オペレーション)とは、窓口業務や営業活動を支えるバックオフィス業務を担当する職種です。主に取引の処理、帳簿の管理、システム入力、顧客対応のサポートなどを行い、銀行業務が円滑に進むようにサポートします。
事務OPは正確・迅速な対応が求められ大変ですが、営業ノルマがないという点が魅力的に感じる人もいるでしょう。

事務OP (オペレーション)の専任部署であれば比較的ルーチンワークが多く、それほどきつくないかもしれません。
②コンプライアンス部門
コンプライアンス部門は法令順守や内部監査などを担当し、専門性が高く、営業活動からは離れた業務です。
- コンプライアンス部門
- 金融機関のコンプライアンス部門は、法令や内部規則の遵守を徹底し、不正やリスクを未然に防ぐ役割を担います。金融機関は厳しい規制のもとで運営されるため、コンプライアンスの徹底が欠かせません。営業店への臨店(店舗への訪問)、研修の実施、外部書類へのチェックなどが業務です。

主に管理職などベテランが配属されることが多い部署です。
顧客対応や営業ノルマなどのストレスが溜まる業務に直接関与する機会は少ないため、きついと思う人は少ないでしょう。
③地方の店舗
地方銀行、信用金庫、信用組合などで働く場合、都心の店舗よりも地方の店舗の方が業務量が少ないために、それほどきつくないことが多いです。
地方店舗の場合、来客者数が少なくトラブル対応も比較的少ないです。
ただ、業務量が少ないため人員も少なく、幅広い業務を行わなければなりません。この点をしんどいと感じる人もいるでしょう。

地方店舗勤務で上司が仕事しない人だと、ほぼワンオペで仕事を回すことになるので大変です。
金融業界は営業も後方事務もつらいことが多い
金融業界がつらい・きついと言われる主な理由は以下の通りです。
金融業界がつらい・きついと言われる理由
- 長時間労働
- 高いストレス
- 厳しいノルマ
- 継続的な自己啓発が必要
- 責任の重さ
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