簿記・FP (ファイナンシャルプランナー)・宅建士どれが役立つ?人気資格の難易度を比較解説

- 簿記・ファイナンシャルプランナー・宅建士だとどれが役に立つ?
- 一番難しい資格はどれ?
簿記・FP (ファイナンシャルプランナー)・宅建士はどれも人気資格。どの資格を取得しようか悩んでしまいますよね。
私の結論は以下の通り。
- 取得すべき資格は業界による
- キャリアが定まっていないなら宅建士がおすすめ
- すべて取得するトリプルライセンスを目指すならFPがおすすめ
当然取得すべき資格は、業界によって異なります。

経理職なら簿記
保険会社で働くならFP
不動産賃貸で働くなら宅建士
などです。
しかし、今後のキャリアアップを目指すなら宅建士がおすすめ。

私自身は宅建士取得者ではありません。
ですが、3つの資格の中では宅建士をおすすめします。
もし、私が今学生だったら宅建士の勉強をしているでしょう。
宅建士は業務独占資格。取得者は優遇され手当が出る企業もあります。学習時間から見ると、宅建士が最もコスパのいい資格なのではないでしょうか。
本記事では、簿記・FP・宅建士の難易度とメリットを比較しながら解説します。
本記事では簿記・FPは2級を想定して比較解説します。2級が宅建士と比較的難易度が近いからです。
簿記・FP・宅建士の中でおすすめの資格は宅建士
簿記・FP・宅建士の中で最もおすすめしたい資格は宅建士です。私は宅建士資格の取得者ではありません。しかし、もし私が就職前の学生であれば宅建士の学習をするでしょう。
簿記・FPは全国民が知るべきお金の知識が詰まっています。しかし、キャリアアップという観点では宅建士が一歩抜きん出ています。
宅建士は、不動産業界では資格手当もあり厚遇される資格。金融業界でも信託銀行など一部の会社で重宝されます。

様々な金融系の資格を取得して思いましたが、業務独占資格は強いです。
金融系で業務独占資格は「貸金業務取扱主任者」など。あとは公認会計士や税理士など非常にハードルが高い難関資格が挙げられます。
働いている業界と関連性の高い資格を取得することが前提
まずは原則として知っておいて欲しい点は、自分の描くキャリアに合う資格を選ぶということ。
- 会計学を勉強→簿記を取得→監査法人への転職
- 経済学部出身→FPを取得→保険営業を目指す
- 法学部出身→宅建士を取得→不動産営業
受験科目が英語・数学・物理なのに、歴史の勉強をしても合格には近づかないでしょう。
キャリアアップにおいても、将来像を描きながら資格取得も目指す必要があります。
ですが「将来やりたいことが見つかっていない。どうすればいいんだろう?」と、悩む人も多いでしょう。
そんな方には宅建士をおすすめします。

簿記とFPも認知度の高い資格。ですが、将来のキャリアが決まっていない人には宅建士をおすすめします。
宅建士をおすすめする理由|業務独占資格で不動産業界以外でも一定の評価
宅建士をおすすめする理由は以下の通り。
- 業務独占資格である=その資格がないと携われない業務がある
- 資格手当が付くケースが多い
- 不動産業界・金融業界など高年収の業界で評価される
宅建士は業務独占資格です。宅建士でないと携われない業務があります。
- 宅地建物取引士の業務
- 重要事項の説明
重要事項説明書(35条書面)への記名
37条書面への記名
引用:一般財団法人不動作適正取引推進機構(外部サイト)
簿記やFPは資格保有者でなくても業務に携われます。
- 伝票処理
- 財務分析
- 資産運用のアドバイス(税務相談を除く)
上記の業務は誰でも可能。また、比較的難易度の高い資格であり、求人情報を見ると資格手当がつく企業も多いです。
認知度も高く不動産業界だけでなく、信託銀行など金融業界でも評価される資格です。
簿記2級・FP2級を取得して感じたこと|思いの外世間の評価は低い
私は簿記2級・FP2級を取得しています。しかし、FP必須・簿記取得者優遇という求人を出す企業は少ないです。
- 公認会計士優遇
- 税理士(一部合格者含む)資格保有者歓迎
- USCPA取得者必須
- 証券アナリスト資格保有者歓迎
金融資格では、上記のような難関資格を保有していないと市場では評価されないようです。簿記もFPも優良な資格ですが、1級保有者でも厚遇されない場合が多いです。
勉強したことがある人なら「勉強されているんですね!」と、反応してもらえる資格なのですが。

もう少し評価されてもいいのでは・・・と、少し悲しくなります。
簿記・FP・宅建士資格の概要
資格名 | 種類 | 難易度 | 勉強時間 | 合格率 | 必要な費用 | 特徴 |
FP (ファイナンシャルプランナー) | 【国家資格】 3級 2級 1級 【民間資格】 AFP CFP | (1.5 / 5.0) 〜 (4.0 / 5.0) | 3級・・・100時間程度 2級・・・150〜300時間 1級・・・400〜600時間 | 3級・・・70%以上 2級・・・40%〜60% 1級・・・10%程度 (※試験運営団体により異なる) | 数千円〜数万円 | 金融系国家資格で知名度抜群 |
日商簿記 | 3級 2級 1級 | (2.0 / 5.0) 〜 (4.5 / 5.0) | 3級・・・100時間程度 2級・・・100〜200時間 1級・・・500〜1,000時間 | 3級・・・70%以上 2級・・・10%〜30% 1級・・・10%程度 | 数千円〜数万円 | 初学者には学習しづらい分野 |
宅地建物取引士 | ー | (4.0 / 5.0) | 400〜600時間 | 15%〜17%程度 | 数万円〜10万円以上 | 金融資格ではないが銀行業務などと親和性が高いためランクイン |
日商簿記|財務に携わるならほぼ必須
種類 | 3級 2級 1級 |
難易度 | (2.0 / 5.0) 〜 (4.5 / 5.0) |
勉強時間 | 3級・・・100時間程度 2級・・・100〜200時間 1級・・・500〜1,000時間 |
合格率 | 3級・・・70%以上 2級・・・10%〜30% 1級・・・10%程度 |
資格を取得するメリット | 財務分析に必要な知識が身に付く |
日商簿記
日商簿記は簿記の知識が問われる試験。簿記の試験は種類が多いですが、日商簿記試験が知名度が高くおすすめです。簿記は財務分析で必須の知識。金融機関で働くなら簿記を習得しましょう。
FP(ファイナンシャルプランナー)技能士|代表的な金融資格
種類 | 【国家資格】 3級 2級 1級 【民間資格】 AFP CFP |
難易度 | (1.5 / 5.0) 〜 (4.0 / 5.0) |
勉強時間 | 3級・・・100時間程度 2級・・・150〜300時間 1級・・・400〜600時間 |
合格率 | 3級・・・70%以上 2級・・・40%〜60% 1級・・・10%程度 (※試験運営団体により異なる) |
資格を取得するメリット | 知名度抜群 |
FP(ファイナンシャルプランナー)技能士
FP(ファイナンシャルプランナー)技能士は、金融商品の知識だけでなく、税法や不動産など幅広い知識が問われる国家資格です。3級から1級まであり、商品の販売に携わる以上2級は取得しておきたいところです。AFPとCFPは、日本FP協会が認定する民間資格です。
宅地建物取引士|金融業界でも人気の不動産資格
難易度 | (4.0 / 5.0) |
勉強時間 | 400〜600時間 |
合格率 | 15%〜17%程度 |
資格を取得するメリット | 不動産取引では業務独占が活かせる場合も |
宅地建物取引士
宅地建物取引士(宅建士)は、不動産取引で業務独占のある国家資格。物件の売買や賃貸の仲介、契約に関する重要事項の説明を行うための専門知識を有します。資格を取得するには試験に合格し、登録を完了する必要があります。
簿記・FP・宅建士のトリプルライセンスはあり?なし?
「簿記・FP・宅建士のトリプルライセンスを目指そうと思っているんだけどありかな?」と、感じた方がいるかもしれません。
「キャリアが明確に定まっていないのであればなし」というのが私の結論。

3つの資格の関連度はそこまで高くないためおすすめしません。
どうしてもトリプルライセンスを目指したいのであれば、まずは下記の資格をダブルで取得することから検討してみましょう。
- 簿記とFP
- FPと宅建士

簿記とFP、FPと宅建士であれば重複する分野もあるため、相乗効果が得られます。
おすすめのダブルライセンス①|簿記・FP
簿記とFPの資格の資格は金融業界で役立つ資格。

簿記は法人向けの営業、FPは個人向けの営業で役立つ資格です。
企業の会計処理から個人の資産管理まで幅広い金融知識をカバーすることができ、総合的な財務アドバイザーとしての価値を高めることができます。
おすすめのダブルライセンス②|FP・宅建士
不動産業界に勤務されている方はFPと宅建士のダブルライセンスをおすすめします。
不動産取引の専門知識に加えて資産運用の提案もできる専門家として、より高い評価を得ることができます。

不動産賃貸・売買もでき、住宅ローンの提案もできる営業は希少な存在ではないでしょうか。
複数の資格を戦略的に組み合わせることで、単一の資格では得られない相乗効果を生み出し、より幅広い職務機会を開拓することが可能となります。
まとめ
簿記、FP、宅建士はそれぞれが異なる専門分野で価値を発揮する重要な資格です。
簿記は企業の会計処理と財務分析において必須のスキルを証明し、FPは個人の資産設計全般をサポートする総合的な金融知識を提供し、宅建士は不動産取引の専門家として高い信頼性を持つ資格です。
これらの資格は単独でも価値がありますが、複数取得することでより幅広いキャリアの可能性が開かれます。資格選びは自身のキャリアプランや興味のある分野に基づいて慎重に検討し、効率的な学習計画を立てることで、着実な資格取得を目指すことができます。
継続的な学習と実務経験を通じて、その真価を発揮することができます。資格取得後も知識のアップデートを怠らず、実践の場で活かしていくことで、プロフェッショナルとしての価値をさらに高めることができるでしょう。