役に立つのは2級から?簿記を履歴書に記載する方法と就職・転職でのアピールポイント

- 履歴書で日商簿記資格をどうアピールすべき?
- 2級以上取得しないと意味ない?
日商簿記は企業からの評価も高い有益な資格。就職や転職で履歴書に書けば、特に金融機関や経理職などでアピールできます。
ただ、簿記の試験はいくつか種類があり、書き方を誤ると採用担当に勘違いされる可能性も。
本記事では、簿記を履歴書に記載する方法や、アピールポイントについて詳しく解説。
具体的な記載例から、実践的なアピール方法まで、簿記資格を最大限に活かすためのポイントをご紹介します。
- 履歴書には「日商簿記検定試験(◯級)取得」と記載する
- 3級でも十分アピールできる
(履歴書への記載例)
取得年月2025年1月 日商簿記検定試験3級 合格

簿記を取得するためには相当勉強したはず。
学習した時間を無駄にしないために、採用担当に伝わるアピールをしましょう。
日商簿記を履歴書に書くメリット
「日商簿記3級しか持っていない。わざわざ履歴書に書くのは恥ずかしいなぁ」
こう感じる人は多いかもしれません。
日商簿記は、財務や会計のスキルを証明する資格です。事務職や経理職への応募時に評価されるでしょう。
- 簿記会計の基礎知識があると証明できる
- 事務職・経理職への応募時にアピールできる
- 向上心や学習意欲のアピールになる
メリット①|簿記会計の基礎知識があると証明できる
簿記資格は、財務や会計に関する基本的な知識があることを証明できます。具体的には以下のとおり。
- 仕訳処理の理解:日常的な取引を適切に仕訳し、帳簿に記録できる。
- 財務諸表の基礎知識:貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)の構造を理解し、企業経営状況を把握できる。
- 簿記の基本ルールの理解:貸方・借方の概念を正しく理解し、正確な会計処理ができる。
上記の知識は、経理・財務部門に限らず、事務職や営業職でも役立ちます。
また、会社のお金の流れを理解できることは、ビジネス全般において強みとなるでしょう。

ビジネスでの共通言語がわかる。簿記の大きなメリットです。
メリット②|事務職・経理職への応募時にアピールできる
簿記は、経理・財務関連の基礎知識を証明できるため、事務職や経理職への応募時に有利になる可能性が高いです。
特に、未経験から経理職を目指す場合、採用担当者に「基礎知識があるため、業務を習得が早そうだ」と評価されるかもしれません。
また、一般事務職でも、請求書の処理や経費精算などの業務に簿記の知識が活かせるため、他の応募者との差別化につながります。さらに、Excelなどの会計ソフトを扱う際にも簿記の知識があると理解が早く、実務に活かしやすい点もアピールになります。
上記の職種の他に、以下のような企業での応募時にもアピールできる資格です。
- 銀行・信用金庫・信用組合などの金融機関
- 商工会議所
- 税理士事務所

多くの事業会社・金融業界で重宝される資格です。
メリット③|向上心や学習意欲のアピールになる
簿記は、基礎知識を理解するために一定の学習時間が必要な資格。
ですから、取得していること自体が「自主的に学ぶ姿勢がある」「新しい知識を身につけようとする意欲がある」ことの証明になります。
特に、未経験の職種や業界への転職・就職を目指す場合、「業務に役立つ知識を自主的に学んできた」というアピール材料になります。また、日商簿記は上位資格(2級・1級)もあるため、さらなるスキルアップを考えていることを伝えると、「成長意欲のある人材」として好印象を持たれる可能性が高まります。
実務経験がなくても、簿記3級の取得を通じて「学習意欲がある」「業務への積極的な姿勢がある」と示せる点は、採用時のプラス評価につながります。
日商簿記が役に立たない・意味ないと言われる理由
簿記3級の内容は基礎的な会計知識が中心であり、企業の経理実務では専用の会計ソフトを使用することが一般的です。そのため、仕訳の手計算や帳簿作成のスキルが直接求められる場面が少なく、「資格がなくても仕事ができる」と言われることがあります。
日商簿記は業務独占資格ではありません。しかし、保有していることで一定程度は財務に関する知識がある人材と評価され、就職や転職で有利になるでしょう。
- 業務独占資格
- 業務独占資格とは、その資格の保有者でなければ携われない業務がある資格のことです。たとえば、財務諸表の監査は公認会計士にしかできません。しかし、日商簿記保有者でなくとも経理業務は可能です。

簿記は
業務独占資格ではない。
国家資格ではない。
などの理由から評価しないという声もあります。
日商簿記の履歴書の書き方
日商簿記は就職や転職で有利になる資格です。ただ、以下のポイントに注意する必要があります。
- 正式名称で記載する
- 他の簿記資格との違いがわかるように記載する
正しい記載方法は以下の通りです。
日商簿記検定試験3級 合格

取得年月なども記載してアピールしましょう。
正式名称で記載する
履歴書には正式名称で記載しましょう。日商簿記の正式名称とは以下の通りです。
- (例)日商簿記の履歴書の記載方法
- 日本商工会議所簿記検定試験3級
日商簿記検定試験2級
などです。
下記のような記載の場合「いい加減な仕事をする人」「雑な仕事をする人」という印象を与えかねません。
- (例)日商簿記の履歴書の誤った記載方法
- 簿記検定3級
簿記2級

資格の正式名称すら調べることをしない人と、判断されかねません。
正式名称で記載することを心がけましょう。
ちなみに統一試験の合格とCBTの合格は同列扱い。どちらも履歴書の記載方法は同様です。
他の簿記資格との違いがわかるように記載する
簿記は日商簿記の他に、全経簿記・全商簿記という資格も存在します。
また、農業簿記検定という資格もあります。日商簿記を履歴書で書く際は、こうした他の簿記資格との違いがわかるように記載しなければいけません。
日本商工会議所簿記検定試験3級
日商簿記検定試験2級
上記のように主催団体がわかるように明記しましょう。

日商簿記は「日本商工会議所および各地商工会議所が主催する検定試験」です。
日商簿記の就職・転職でのアピール
日商簿記は学習するだけでも、経済に対する解像度が上がる有益な資格。
ニュースや新聞で取り上げられる企業の決算などは、簿記の知識があればより理解しやすくなります。
しかし、実際に年収アップにつながる資格としても役立てたいところ。簿記に対する資格手当を出す企業もありますが、就職・転職で簿記の知識をアピールできるかどうかが肝心です。

簿記を取得している。
というだけでなく「仕訳をよく理解することで、正確性が向上し以前よりミスが10%削減できた」など、採用担当に働いている姿がイメージしやすいようなアピールをしましょう。
履歴書でのアピール|簿記の知識を活かした業務経験を記載する
履歴書では資格欄だけでなく、自己PRや職務経歴書にも資格を活かした具体例を記載しましょう。
下記のような具体例が考えられます。
日々の仕訳処理を行い、会計ソフト(〇〇会計)を使用して月次決算の補助業務を担当。取引の記録ミスを削減し、正確な帳簿管理を実施。
営業部のサポートとして、売上・利益データをExcelで管理。簿記の知識を活かし、売掛金の消込チェックや入金管理を行い、ミスを防止。
法人営業において、取引先の財務諸表を分析し、経営状況を把握した上で提案を実施。特に、貸借対照表の流動比率や自己資本比率を確認し、リスク判断を行うことで、取引の安全性を向上。
簿記の知識を用いて業務改善を行った経験や、チームでの経理作業を効率化したエピソードなどを記載することで、実務に直結するスキルをアピールできます。
面接でのアピール|簿記をどのように業務で活かすか
面接では、簿記をどのように活かすか説明することで、業務遂行能力をアピールできます。
経理・事務職なら
仕訳の知識を活かし、日々の経理処理や財務諸表のチェックができます。
営業職なら
財務諸表を理解することで、取引先の経営状況を把握し、より適切な提案が可能になります。
一般事務・総務なら
経費処理や予算管理を正確に行うために、簿記の知識を活かせます。
というふうにアピールできます。
簿記3級が履歴書に書いても役に立たないと言われる理由
簿記3級は、経理や会計の基礎知識を証明する資格です。
未経験者が事務職や経理職を目指す場合には、履歴書に記載することで意欲や基礎力をアピールできます。
ただし、3級だけでは実務的なスキルが不足していると判断される場合があるため、職種によっては限界があることも事実です。
理由①|事務・経理職の最低ラインの知識と見なされる
簿記3級は、経理職や会計業務に関わる場合、簿記3級は「入門レベル」と見なされるため、特別な強みにはなりにくいです。
理由②|資格より実務経験が重視される
特に経理や会計業務では、資格を持っているだけでは評価されず、実際に仕訳処理・経費精算・決算補助などの業務経験が重視されます。
理由③|資格取得者が多く差別化が難しい
簿記3級は比較的取得しやすく、取得者も多いため、「簿記3級を持っている=特別なスキルがある」とは見なされにくいです。
簿記2級を取得していなくても勉強中とアピールする方法も
「今は簿記3級しか取得できていないんだけど、履歴書に書いても意味ないのかな?」と、感じた人がいるかもしれません。
現在は簿記2級を取得していなくても、「簿記2級を勉強中」と記載することで、資格取得に向けた努力や向上心をアピールできます。

もちろん嘘はいけません。
本当に簿記2級の勉強をしている時だけアピールしましょう
ただし、単に「勉強中」と記載するだけでなく、試験予定日や現在の進捗状況を具体的に述べると、真剣さが伝わりやすくなります。
簿記を履歴書に記載して自分の能力をアピールしよう
簿記の資格を履歴書に記載することで、会計・財務の知識があることを証明でき、転職・就職活動においてアピールポイントになります。
特に、経理・事務・営業職などの職種では評価されることが多く、キャリアアップにもつながるため、正確に記載しましょう。