【経験者が対策を伝授】新卒からずっと同じ会社だと世間知らずと言われる理由
ずっと同じ会社に勤めている私は世間知らず?
もう他の会社では使えない人材?
新卒から同じ会社で勤めている人のことを世間知らずと言う声があるようです。他の企業の業務を経験したことがないため、視野の狭い人材と評価される可能性があります。
ただ、これは考え方次第でしょう。たとえ視野が狭くても同じ企業でずっと働き続ければ、専門スキルが身に付くはずです。また、業務にも熟練しているため社内でも重宝されるでしょう。
最悪全く業務ができなくても、長年勤めてきた人物を即刻クビになる可能性は少ないです。いわゆる働かないおじさんのような立場で定年まで勤め上げれば生活に支障はないでしょう。
とはいえ、「世間知らずなんて言われたくない。他の企業でも通用する人材になりたい」と、考える人もいるでしょう。
新卒から12年間金融機関で働き、全くの異業種に転職した経験を持つ私が解説します。
新卒からずっと同じ会社だと世間知らずと言われる理由3選
新卒からずっと同じ会社だけに勤めていると、世間知らずと言われるようです。
その理由を探ってみました。
理由①|視野が狭くなる
同じ会社でしか勤務経験がないと、広い視野で物事を考えることが難しくなる可能性があります。
既に知っていることや自身の価値観にとらわれやすく、新しい考え方や他人の意見を受け入れるのが難しくなる恐れも。
視野の狭さは、長期的には個人のキャリアアップに影響を与える可能性があります。
理由②|社会経験が不足する
同じ会社でしか勤務経験がないと、社会経験が不足する可能性が高いです。営業など人と接する仕事でない限り、他の環境や多様な人と触れ合う経験が少なく、ビジネスや対人関係のスキルが未熟になってしまう恐れがあります。
理由③|自分の市場価値が把握できない
他の企業や業界での自身のスキルの価値を正確に把握できていない可能性があります。
キャリアアップや給与交渉などをする際は不利になる可能性があります。
世間知らずにならないための対策3選
新卒からずっと同じ会社で働いていても、世間知らずにならないための対策があります。以下に3つの効果的な方法を紹介します。
対策①|社外の人との交流
異なる会社や業界の人々と積極的に交流することで、視野を広げることができます。
業界セミナーや勉強会に参加したり、SNSを活用したりして、多様な考え方や経験に触れましょう。
対策②|副業をする
会社の規定に違反しない範囲で副業を行うことで、異なる環境での業務経験を積めます。
自身のスキルの市場価値も把握しやすくなります。
対策③|継続的な自己啓発
業界動向や新しい技術について常に学び続けることが重要です。
オンライン講座の受講や専門書の購読、資格取得などを通じて、自身のスキルを向上させ、市場価値を高めましょう。
世間知らずにならないために同じ業界への転職がおすすめする理由3選
「世間知らずにならないため、対策を実践している。ただ、実際に目に見える評価を得たい」
上記のように思われたなら、転職活動をしてみましょう。
実際に転職する・しないは企業から提示される条件を確認してからでもかまいません。転職活動がうまくいかなければ、今いる会社に残ればいいだけの話。
自分の市場価値がわかれば、「世間知らず」と言われる周りの声も気にならなくなるでしょう。
まずは同じ業界での転職活動をおすすめします。
以下ではその理由を解説します。
理由①|専門知識とスキルの活用
同じ業界内での転職ならば、これまで培ってきた専門知識やスキルが活用可能。業界特有の用語や慣習に精通しているため、新しい環境でもスムーズに業務に取り組めます。
理由②|業界の共通認識が多く転職後のギャップが少ない
同業他社に転職する場合、業界の基本的な仕組みや構造を理解しているため、新しい職場への適応がより容易に。短期間で即戦力として働けます。
理由③|キャリアの一貫性維持
同じ業界内での転職は、キャリアの一貫性を保つことができます。これは将来的なキャリアアップや専門性の向上に繋がり、長期的な視点でのキャリア形成に有利に働きます。
世間知らずと言われても未経験業界への転職はおすすめしない理由3選
世間知らずと言われても、未経験業界への転職をおすすめしない理由は以下の3つです。
理由①|専門性が磨けない
長年培ってきた専門知識やスキルが活かせなくなる可能性が高く、キャリアの一貫性が失われる恐れがあります。将来的なキャリアや年収アップの際に不利に働く可能性があります。
理由②|リスクの高さ
未経験の分野では、業界特有の知識や技術の習得に時間がかかります。適応に時間がかかったり、期待されるパフォーマンスを発揮できない可能性があり、キャリアにとって大きなリスクとなる可能性があります。
理由③|収入の減少
未経験分野への転職では、多くの場合収入が減少します。一時的な収入の減少で、今後スキルの習得により年収アップが見込まれる場合ならばいいかもしれません。
入社後にギャップが生じるリスクの高い未経験転職ですから、現職より年収の高い転職をおすすめします。
【実体験】金融業界から未経験転職した理由
私は退職後に空白期間を経て、再就職しました。
ただ、私がいた金融機関が特殊で業績が悪かっただけで、もっと世の中には素晴らしい企業がたくさんあったように感じます。
私が金融業界から未経験の業界に転職した理由をお話しします。
理由①|金融業界に将来性を感じなかった
収益は年々下がる
人材の流出が止まらない
そんな金融機関の将来性に疑問を感じ始めました。
理由②|社会的意義が見出せなかった
金融業界での仕事が、社会にどのような価値を提供しているのか疑問を感じるようになりました。より直接的に人々の生活や社会の発展に貢献できる仕事に就きたいと考えるようになりました。
理由③|古い体質の企業に嫌気がさした
金融業界の多くの企業は、伝統的な慣習や階層的な組織構造を維持しており、新しいアイデアや変革を受け入れにくい環境でした。この古い体質は、イノベーションや個人の成長を妨げる要因となっていました。
具体的には、以下のような点に嫌気がさしていました。
- 意思決定プロセスが遅く、柔軟性に欠ける
- 年功序列の重視により、若手の意見が反映されにくい
- 新しい技術やビジネスモデルへの適応が遅い
- 多様性の欠如と、固定的な考え方
未経験業界の転職で金融業界での経験が役に立ったこと・役に立たないこと
金融業界での経験が未経験業界への転職後に役立った点と役立たなかった点について、以下に詳しく説明します。
役に立ったこと
分析力と数字への理解: 金融業界で培った数字を扱う能力や分析スキルは、多くの業界で重宝されました。
リスク管理能力: 金融業界で学んだリスク評価と管理のスキルは、新しい環境でも有用でした。
プレゼンテーションスキル: 顧客や上司への報告経験が、新しい職場でのコミュニケーションに役立ちました。
時間管理能力: 厳しいデッドラインの中で働いた経験が、新しい環境での効率的な業務遂行に活かせました。
役に立たなかったこと
業界特有の専門知識: 金融商品や規制に関する詳細な知識は、新しい業界ではほとんど活用できませんでした。
特定のソフトウェアスキル: 金融業界特有のシステムやソフトウェアの操作スキルは、新しい環境では使用機会がありませんでした。
業界特有の人脈: 金融業界で構築したネットワークは、新しい業界ではあまり役立ちませんでした。
総じて、金融業界で身につけた汎用的なスキルは新しい環境でも活用できましたが、業界特有の知識やスキルは活かせる機会が限られていました。しかし、異なる視点や経験を持つことで、新しい業界に新鮮な見方をもたらすこともできました。
金融業界から未経験転職する際の注意点
これまで未経験者が金融業界へ転職する方法について解説してきました。
ただ、入社後のギャップに苦しまないためにも、金融業界へ転職する際の注意点についてもぜひ知っていただきたいです。
自分が本当に金融業界へ進んでもよいのか、チェックしておきましょう。
忖度なく金融業界で勤務経験のある私が解説します。
注意点①|資格地獄を覚悟しておく
金融業界では、年齢を重ねても資格取得が必要です。実際に業務を行う際に必要な資格は少ないです。
携わる仕事にもよりますが、証券外務員資格、保険募集人資格を保有すれば基本業務に支障ありません。ただ、毎年のように人事考課で自己啓発の意欲をアピールする必要があります。
人によっては受験料だけ払って、受験しない人もいるほど。休暇中に勉強、試験を受験しないといけません。資格地獄とも言われるゆえんです。
ですから、勉強に抵抗がない、知識欲が旺盛と言う人でないと金融機関に勤め続けるのは難しいかもしれません。「金融業界でキャリアアップしたい」という向上心のある人は問題ないでしょう。
注意点②|法令・ミスに厳しい
金融機関は法令遵守にとても厳しいです。退勤時に机の施錠管理は当然。鍵がかかっていないければ、監査の指摘事項にあがります。個人情報の管理は厳重ですし、持ち出しする際は業務上必要な場合でも上司の確認が必要です。
また、書類上のミスにも厳しく、ミスをすれば事務ミスの登録、場合によっては顛末書・始末書の提出が必要です。
厳しい規制に「たしかによくないけど、そこまで怒られないといけないようなミスなのか」と私は疑問を抱いていました。
法令遵守意識の高さはもちろん、ミスに対して向き合える精神力が必要です。
注意点③|人事異動が多い
金融業界では多くの企業で人事異動が頻繁に行われます。特に銀行や証券会社などの大手企業では、数年ごとに部署が変わることが一般的です。
人事異動の頻度が高いということは、同じ職場や職務に長く留まることが少なく、毎回新しい環境に順応する力が必要になります。
営業、審査、リスク管理、マーケティングなど様々な部門があり、異動によってまったく異なる業務に就くことが珍しくありません。
自分の希望が通るケースも少ないです。計画通りにキャリアアップできない可能性もあるので、注意しておきましょう。
まとめ
新卒からずっと同じ会社に勤めていることで「世間知らず」と言われる可能性がありますが、それは必ずしもマイナスではありません。以下に重要なポイントをまとめます。
- 同じ会社での長期勤務は、専門性や業務熟練度を高める
- 視野の狭さや他社経験の不足する可能性も
- キャリアアップのためには、社内外での新しい経験や学びを積極的に求めることが重要
- 未経験分野への転職は慎重に検討すべきで、専門性やリスクを伴う可能性も
- 転職を考える前に、現在の会社内でのキャリアアップの可能性も十分に検討すべき
結論として、「世間知らず」と言われないためには、自己啓発や新しい経験を積極的に求めることが大切です。同時に、自身のキャリアパスを慎重に検討し、最適な選択をすることが重要です。