おっちょこちょいな人に信用金庫は向いていないのか?ミスが多い筆者が解説
- ミスが多い人は信用金庫に向いていないの?
- おっちょこちょいだと辞めないとダメ?
信用金庫の業務は正確さが最も重視されます。ミスが多いと信頼を失いかねません。
慣れない業務であればミスしてしまうのは当然ですが、同じミスを何度も繰り返す人は信用金庫に向いていないでしょう。
本記事は信用金庫で12年働き退職した私が解説します。
今はIT業界に転職し、ミスのほとんどがリカバリー可能。信用金庫の時ほど詰められることもなく、ストレス少ない環境で働いています。
信用金庫でよくあるミス
信用金庫では日常業務のささいなミスで重大な事象に発展する可能性が高いです。
以下では代表的なミスを職種別に紹介します。
業務係のミス
業務係のミス
- 事務OP (オペレーション)ミス
- 現金過不足
- 書類の押印漏れ
- 書類不足
最も代表的なミスは現金過不足でしょう。
「現金が1円でも合わないと帰れない」とよく言われますが、本当にその通りです。
1円不足しても、多くても原因を究明しなければいけません。
職員全員であちこち探し回ります。
- 1万円が合わない時は5,000円の入出金のオペをチェック
- 1円が合わない時はカルトンや窓口、机の周りをチェック
などです。
カルトンの後ろに1円玉がくっついていたなど、原因がわかればホッとします。
融資係のミス
融資係のミス
- 事務OP (オペレーション)ミス
- 書類の不備(記載漏れ、印鑑相違)
融資係の事務OPは登録がメインで勘定系に影響を与える処理が業務係と比べて少ないです。役席の検印後に決裁が取れてから融資実行OPをするため、重大なミスに発生する可能性は低いです。
私の場合、OPミスよりも契約書の書類漏れや印鑑相違、印鑑の押印漏れなどが多かったです。
営業(渉外)係のミス
営業(渉外)係のミス
- お客様への説明不足や勘違い
- 書類の不備(記載漏れ、印鑑相違)
営業係はミスよりも苦情に気を使います。伝票や書類の不備を業務係から指摘されることが多いです。
営業係は顧客との接点が多いため、間違った情報を伝えると信用問題に発展します。
金利や融資条件などの重要事項で誤った説明をすると、後々大きなトラブルになる可能性があります。
本部のミス
本部のミス
- 取扱要領の作成ミス
- 誤った事務通達の発信
本部でもミスは発生します。本部は一度のミスが全ての営業店に影響するため、規模が大きいケースが多いです。
ミス発生時の対処方法
どれだけ注意していても、ミスはゼロにはできません。大切なのは起きてしまった後の対応です。
上司・顧客への報告
ミスが発生したら、すぐに上司や関係者に報告することが最重要です。隠したり先延ばしにすると事態が悪化します。
- 状況と原因、現時点での影響を明確に伝える
- 解決策を一緒に提示する
特に顧客対応では、曖昧な言い回しは禁物です。誠意を持って謝罪し、迅速にリカバーすることで信頼をつなぎとめられることもあります。
再発防止の工夫(チェックリスト・仕組み化)
毎日のルーチンをチェックリスト化する
書類は必ず2回見直すルールを徹底する
苦手な業務は先輩に確認を依頼する
「自分はおっちょこちょいだからダメだ」と思い込むのではなく、仕組みを作ってカバーする姿勢が大切です。
ミスゼロは不可能?完璧を求めすぎない考え方
信用金庫は正確さが最重視されますが、人間である以上ミスを完全にゼロにするのは不可能です。
私自身も、いくら注意していても年にミスをしていしました。
重要なのは、同じミスを繰り返さないこと。
上司も同僚も「一度のミス」で人を見限るわけではありません。真摯に反省し、改善策を講じることで「次からは安心して任せられる」と信頼を回復できます。
他の職場も同じくらいミスに厳しいのか
「信用金庫は厳しすぎるのでは?」と思う人もいるでしょう。
金融業界はお金を扱うため、他業種よりも細かい確認や責任が重いのは事実です。
金融業界全体の特徴
金融業界全体で見ると、ミスへの厳格な対応は共通しています。
- 銀行や証券会社も同様に厳密な管理体制を敷いている
- 1円単位の誤差でも原因究明が必須とされる
- コンプライアンス違反は個人の問題ではなく組織全体の信頼に関わる重大事項として扱われる
特に顧客資産を扱う部署では、計数管理の正確性が最優先事項です。金融庁の検査でも現金過不足は重点チェック項目となっています。
一般企業との違い
一般企業と信用金庫を比較すると、ミスへの対応に違いがあります。
- 他の業界では多少のミスは修正可能なケースが多い
- 特に信用金庫ほど顧客の目が厳しくないことが多い
- ただし契約違反などはどの業界でも重大問題となる
信用金庫はミスに最も厳しい業界の一つと言えるでしょう。お金を扱う責任の重さが、この厳格さの根本にあります。
ミスがつらいなら転職も検討の余地あり
信用金庫はミスに厳しい職場です。おっちょこちょいな性格の人が働くと、日々のプレッシャーで疲れてしまうこともあるでしょう。
ミスを減らすためには、経験や仕組みでカバーできる部分も多く、向いていないからと言って辞めるべき決めるべきではありません。
むしろ、経験を積むことで自分なりの対処法を身につけられる可能性もあります。
しかし、何年経っても合わないと感じるなら、転職を検討するのも一つの選択肢です。
自分の強みを活かせる環境を選び、ストレスなく働ける職場を探してみましょう。