【経験談】いきなりFP2級は無謀?独学合格者(きんざい)が勉強法を解説
- FP2級は独学で合格できる?講座は使わなくてもいい?
- 3級はかなり簡単って聞いた。いきなりFP2級でも合格できる?
FP技能検定は人気資格で、毎年多数の受検生がいる試験。一定の条件を満たせば、3級に合格しなくても、いきなり2級の受検ができます。
ですから、「3級を受検せずに、2級から受けてみようかな。」と感じる人がいるかもしれません。
FP2級は独学でも合格が狙える試験。暗記が中心の問題で構成されているので、過去問演習で問題を覚えれば十分合格できます。とはいえ「本当に合格できるか不安」という方も多いでしょう。
本記事では私が実践したFP2級の勉強法についても解説します。
- 3級を取得していなくてもFP2級は受検できる(条件あり)
- テキストの解説が理解できるなら独学で合格できる
- 勉強法は徹底した過去問演習が重要
- テキスト1冊では演習量が足りず不合格になった経験も
いきなりFP2級(きんざい)にチャレンジして、実技試験に不合格後に、FP2級を取得した私が解説します。
もしFPの独学勉強が不安な人は通信講座の受講を検討するという手もあります。おすすめのFPの通信講座をまとめましたので、参考にしてください。
【理由3選】FP2級は独学で合格できる
FP2級は独学でも合格できます。とはいえ、人によっては独学よりも通信講座の利用した方がいい可能性も。独学で合格できるかどうかの理由を解説しました。
私はFP3級を取得せずに、FP2級に受検しました。FP3級は取得してもほとんど社内でも評価されません。金融機関で2年以上の勤務経験があり、FP2級の受検資格を満たしていました。ですから、いっそのことFP2級から受検してみようと思ったわけです。
以下では独学でも合格しやすい理由について解説します。
- 市販のテキストや参考書が多く出版されている
- 無料ツールが充実していて勉強しやすい
- 試験免除制度で再チャレンジしやすい
FP2級はモチベーションがあれば、誰でも合格できる資格です。
理由①|市販のテキストや参考書が多く出版されている
FPは毎年多くの方が受検する人気資格です。このため、市販の教材も充実して、テキストと問題集を合わせても3,000円から4,000円程度と安価で購入可能。
マイナーな資格の市販教材は無味乾燥な文章で書かれていて、勉強を苦痛に感じることも多いです。
しかし、FPはイラストなどで楽しく学べる教材が充実。独学でも勉強が続けられるでしょう。
FP試験対策のテキスト・過去問題集・予想問題集は充実しています。
理由②|無料ツールが充実していて勉強しやすい
FPの過去問は無料で公開されています。公式サイトからは過去問を無料で閲覧可能。過去問は最高の教材なので、何度も演習すれば十分合格できます。
FPでは勉強用の無料アプリも充実していて、スキマ時間で学習できます。
私が利用したのは「FP2級ドットコム」です。無料で過去問が解ける便利なサイトです。
一部有料のメンバーシップもありますが、基本無料で使える神サイト!
理由③|試験免除制度でチャレンジしやすい
FPには試験免除制度があります。
FPは学科試験と実技試験の両方の試験に合格しないと資格を取得できません。しかし、一方の試験のみに合格できた場合、一定期間試験を免除されます。つまり、次回はもう一方の試験に合格すれば、FP技能検定を取得できるということです。
たとえば、
1回目の試験:学科試験合格、実技試験不合格
2回目の試験:実技試験のみ受検→合格
上記の場合でもFPの取得が認められます。
私も学科試験合格後に、不合格だった実技試験に再チャレンジして合格しました。
最初から無理をせず「今回は学科試験を受検して、次回の試験で実技試験を受検しよう」と段階を踏んで受検するのも手です。
FP2級の受検資格
FP2級の受検資格は全4種類
そもそもFP2級には受検があります。
FP2級の受検資格について公式サイト(一般社団法人金融財政事情研究会HP)を見ると、次のように記載されています。
- 3級FP技能検定合格者
- FP実務経験2年以上
- AFP認定研修の受講修了者
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
本記事を読まれている人のほとんどは条件の④は関係無いでしょう。
「自分は2級から受検していいのかな?」と悩んだなら、以下の基準で判断するのがおすすめです。
- 実務経験が2年以上→2級からの受検を検討
- 実務経験がない→3級からの受検がおすすめ
実務経験がない人は3級からの受検がおすすめです。
条件①:3級FP技能検定合格者|最もオーソドックな受検資格
最もオーソドックスなFP2級の受検資格は、FP3級に合格することです。3級に合格するだけの知識があれば、2級に独学で合格することは難しくないでしょう。
ちなみにFP3級の受検資格は次のとおり。
FP業務に従事している者または従事しようとしている者
「FP業務に従事しようとしている者」も受検可能。つまり、FP3級は実質誰でも受検できる資格です。
条件②:FP実務経験2年以上|意外に範囲が広い実務経験
FP業務に2年以上の実務経験があれば、いきなり2級に挑戦できます。実務経験の具体例は次のとおり。
実務経験の具体例
引用:一般社団法人 金融財政事情研究会HP
- 銀行、保険会社、証券会社、クレジット会社等の金融機関に勤務している方
- 保険会社の代理店の職員
- 税理士、公認会計士、不動産鑑定士、宅地建物取引士、社会保険労務士、中小企業診断士、弁護士、司法書士、行政書士などで資産に関する相談業務に従事している方
- 会計事務所の職員
- 不動産会社、建設会社など土地建物の取引・建築・相談業務に従事している方
- 投資顧問会社の職員
- 生活協同組合などの共済等担当職員
- 商品先物取引会社の職員
- 一般事業会社および官公庁の福利厚生担当者および金融・財務・経理担当者
- 商事会社の商社金融担当者、商事会社やコンピュータ会社等の金融機関営業担当者および金融機関向けソフト開発担当者
申込書に勤務先名や経験年数を記載する箇所があるので、記載しましょう。ちなみに自己申告制ですので、万が一、虚偽の記載が発覚した場合は合格が取消となる可能性もあります。
もし、自分が「FP実務経験2年以上に該当するか不安」という方は、事前に運営団体に問い合わせて確認しておきましょう。
私の場合は
銀行、保険会社、証券会社、クレジット会社等の金融機関に勤務している方
に該当しました。
条件③:AFP認定研修の受講修了者|対象の通信・通学講座を受講
AFP認定研修の受講修了者は受検資格を得られます。対象の研修を受講すればFP3級に合格していなくても、2級に受検可能。
AFP認定研修は日本FP協会の公式サイトからチェックできます。【基本課程】が受講できる研修を選びましょう。
圧倒的低価格
AFPの取得を目指している方にはおすすめです。
条件④:厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者|現在は実施されていない
厚生労働省認定金融渉外技能審査3級は現在実施されていない試験です。本記事を読まれている多くの方は該当しないと思われますので詳細は割愛します。
【独断で選ぶ】独学でもFP2級に合格できる人
ここまでお読みいただいて「私でもFP2級に合格できるかな?」と不安に思われる方がいるかもしれません。
FP2級は継続して勉強できる方なら、合格可能な試験です。特に次の方であれば合格可能性は高いでしょう。
- 市販のテキストの解説が理解できる
- 金融資格の勉強に慣れている
- 独学でFP3級に合格できた
市販のテキストの解説が理解できる
FP2級は市販のテキストが充実しています。本屋で資格コーナーに立ち寄り、問題の解説文を軽く読んでみましょう。
「聞いたこと言葉も多いな。解説もわかりやすいし、少し勉強すればできそう。」と思えたのなら、独学でも合格できるでしょう。
逆に「何が問われているかわからないし、解説文もよくわからない。」という方は講座を受講するなど、みっちり基礎から勉強した方がいいでしょう。
テキストがサクサク読めるなら、いきなり2級合格の可能性あり。
金融資格の勉強に慣れている
FPは金融に関わる幅広いテーマから出題されます。試験範囲は次のとおり。
- Aライフプランニングと資金計画
- Bリスク管理
- C金融資産運用
- Dタックスプランニング
- E不動産
- F相続・事業承継
上記の分野は初学者が見ると、かなり難しく感じるかもしれません。
しかし、金融関連の分野(税務・年金・証券・保険・資産運用・不動産・相続など)について勉強したことがあるなら「なんとなくわかる」と感じる人も多いでしょう。
こうした金融の基礎知識があれば、FPに合格できる可能性は十分あります。
FP3級を独学で合格できた
FP3級に独学で合格できた方は、2級も独学合格できるでしょう。
FPは3級と2級の出題分野はほぼ同様。3級と比べると2級は選択肢が増えるなど、やや難易度が上がります。しかし、問題の内容は大きく変わりません。
3級を独学合格できたなら、2級に合格できるでしょう。
ちなみに、FPと同じく人気資格の日商簿記があります。簿記の場合は、3級の独学合格者にも講座での勉強をおすすめします。
【体感】FP2級は難易度高い?他の試験と難易度を比較
簿記2級と比較|簿記2級の方が難しいと感じた
日商簿記2級はFP2級と並ぶ人気資格。合格までに必要な勉強時間もほとんど同じ程度と言われています。
実際に私も日商簿記2級を独学で勉強しましたが、FP2級を勉強している際に「簿記よりも簡単だな。」と感じました。
FPは単純暗記で乗り切れる問題も多く、計算問題も頻出問題は多いです。
対して簿記は範囲が広く、完全記述問題で、1回計算ミスをすると以降の問題すべて誤答になる可能性もあり大変シビア。試験時間も足りないと感じる方が大半でしょう。
FPは「少し頑張れば、なんとかなりそうだな」と感じましたが、簿記は「これは受からないかも。ダメもとで受験してみよう。」と感じました。
銀行業務検定の税務3級と比較|FP2級の方が難しい
銀行業務検定の税務3級は基礎資格ですが、「難しい」との声も多く聞かれる試験です。
実際に税務3級を取得してる私の感覚では「税務3級はFP3級と2級の中間」くらいという印象。範囲が広い分FP2級の方が時間を割く必要がありました。
- FPと銀行業務検定税務との難易度比較
- FP3級 < 税務3級 < FP2級
ちなみに「税務2級はFP1級よりも難しい。」という声も聞かれるほど難易度の高い資格です。
【経験談】私のFP2級独学勉強法
当初はFP3級からの受検を考えていました。しかし実務経験があり、受検要件を満たしていることがわかったので、いきなり2級にチャレンジしました。
一冊のテキストをやり込んだ|とにかく問題を解いて覚える
すでに証券外務員や銀行業務検定などの金融関係の資格も取得して、FP試験で必要な知識はある程度はあった私。「独学でも問題ないだろう。」と思い、独学で受検することにしました。
書店でFP2級のテキストをパラパラ読み込んで、次のテキストに。
解説文は淡白ですが、あまり図解やイラストが多いと読みづらく感じてしまうので、私にはぴったりなテキストでした。
書店の資格コーナーには、実際に様々な出版社のテキストがありますので、手に取って解説が理解しやすいと感じたものを選ぶことをおすすめします。
ほとんどテキストを読まない|過去問を覚えることに注力
テキストを使用した勉強は、ほぼアウトプットの演習に力を入れました。
テキストの内容や過去問については、ほぼ記憶できたつもりだったのですが、今思えばもっと演習を積んでおくべきでした。
FP攻略のカギは演習がすべてです。
試験本番に苦労した点・余裕だった点
試験本番に苦労した点と余裕だった点について書き記しておきます。
テキスト1冊の内容は把握していたものの、初見の問題には手も足も出ずあやふやな知識で解答しました。
それでも、金融関連の資格を保有していたこともあって、リスク管理(保険)・金融資産運用(市場)分野の問題が既存の知識で対応でき、なんとか学科は合格できました。
ただ実技試験では、PER・PBRなどの計算問題で解答に端数が出て「分母と分子が逆かも・・・」と何度も確認。
他に年金の計算問題が勉強した解法と違うパターンで出題されて、解答できませんでした。
全体的に演習量が不足していました・・・
学科合格・実技不合格|テキスト1冊では演習不足だった・・・
学科には合格したものの、実技は不合格という結果に。明らかに演習量が不足していました。
使用したテキストは悪くないんですが「テキスト1冊をやり込んだだけでは合格は厳しいのではないだろうか?」と感じます。
徹底的にやり込まないと合格は厳しいです。
試験免除制度を利用して再受験|過去問道場演習十分
めげずに試験免除制度を利用して、実技試験を再受検することに。
敗因を分析して、「とにかく演習を積もう。」と考え、徹底的にテキストを演習して「ほぼ解答・解説文も覚えたぞ。」という状態になりました。テキストを攻略した後は、FP2級ドットコムの「過去問道場」で演習を重ねました。
過去問を演習すると、テキストとは違うパターンの類題が出題されていて「完全に理解した。」と思っていたのに、解けない問題が多数。自分の理解不足がよくわかりました。
FP2級の独学が無理だと感じたら
いきなりFP2級は独学でも合格可能な試験。しかし、無理に2級から受験する必要はありません。
市販の教材を読んで「これは独学では無理だ。」と感じたなら、基礎から勉強しましょう。
- 3級から受検する
- 通信講座を受講するという手も
3級から受検する
金融系の資格を初めて勉強するという方には、FP3級からの受検がおすすめです。
3級は学科試験が3択と2級の4択に比べて選択肢が少ないなど、難易度が下がります。まずはFP3級にチャレンジして、自分の実力を試してみましょう。
通信講座を使うという手も
「資格試験の勉強は初めてで、何から勉強すればいいのかわからない。」という方は、通信講座を利用して初歩からしっかりと学ぶこともできます。
おすすめのFPの通信講座をまとめましたので、参考にしてください。
まとめ
FP2級は転職の際に履歴書に記載することができますし、FP2級技能士として名乗ることができるため、副業でも役立ちます。
FP2級は取得するメリットの多い有益な資格です。頑張って取得を目指しましょう!