【油断すると落ちるかも】実は難易度が全く異なる?証券外務員一種と二種の違い
- 証券外務員試験って一種も二種も難易度同じくらいだよね?
- 二種は一夜漬けで合格できたから、一種も余裕で合格できるよね?
証券外務員試験は一種と二種に分かれています。いきなり一種を受験することもできますが、二種に合格してから一種を受験するのが基本的な流れ。
証券外務員は比較的難易度の低い試験と言われています。二種は一夜漬けで合格できる方も多いでしょう。
しかし、一種は資格試験に慣れている金融機関の行員・職員でも落ちてしまう可能性のある試験。
合格率は同じくらいなのに、なぜこんなにも難易度が違うのでしょうか?
実は一種と二種では出題される問題の難易度が異なります。
本記事では一種と二種の違いについて受験する際のポイントを中心に解説していきます。
- 証券外務員の一種と二種は、業務の範囲や試験の難易度が異なる。
- 一種と二種の試験の合格率は年間約70%であり、一般的な合格率とは異なる。
- 一種と二種の試験範囲はほぼ同じであり、一種にはデリバティブ取引が加わる
一種と二種で業務は違う?試験勉強をする前に知っておきたい外務員の知識
勉強する前にまずは外務員の一種・二種の違いについて知っておきましょう。
証券外務員は一種外務員と二種外務員の2つに分けられます。
一種外務員は二種外務員の上級資格で、難易度もアップ。
また、携われる業務も異なります。二種は現物取引のみにしか携われませんが、一種は先物取引を含む全ての取引に携われるのが特徴。
一種・二種のどちらが必要かは勤務先の会社により異なりますので、まずは会社の同僚や上司に一種・二種どちらが必要か確認しておきましょう。
一般的に金融機関で働く場合は一種が必要となります。
二種外務員資格は、いわゆる現物株式などの外務員の職務を行うことができますが、信用取引、デリバティブ取引などリスクの高い商品についての外務員の職務を行うことができません。
引用:外務員資格|プロメトリックHP
一方、一種外務員資格は、二種外務員資格の上級資格に位置付けられます。二種外務員資格で行うことのできる外務員の職務に加え、信用取引、デリバティブ取引を含めたすべての有価証券に係る外務員の職務を行うことができます。
合格率はほぼ同じ!一種も二種も約70%
証券外務員は一種・二種ともに合格率が約70%の試験です。他の資格試験と比べると、合格率は高いです。
しかし、これは受験者のほとんどが金融機関の内定者や行員・職員であり、学習意欲の高い方が多いため、合格率が高く出ると考えられます。
実際の試験では、学生時代に勉強したことがないような法律や金融の知識が求められるため苦労する方も多い試験です。
合格率は高いですが、案外勉強に苦労する試験です。
合格率70%は鵜呑みにできない?|受験者の多くが金融機関の就職内定者や行員・職員
証券外務員試験の合格率は例年約70%で推移しています。
70%といえば、運転免許証の合格率とほぼ同様。誰でも合格できると思われるのも仕方がないのかもしれません。
しかし、出題内容は法務や金融の知識が幅広く問われる専門的な試験。決して簡単な試験とは言い切れません。
二種の合格率と受験者|落ちると恥ずかしい・一夜漬けでも受かるとの声もある
二種は金融機関の内定者や就職後1年目の行員・職員が受験することの多い試験です。毎年、年間で2,000名以上の方が受験します。
私は入社後1年目で受験しました。不合格となった同期もいますが本当にごくわずかです。
証券外務員はこれから資格試験をたくさん受けなければならない金融機関において、最も基礎的な資格試験の一つ。
また、二種に合格できなければ、運用商品の販売に携われません。
- 金融の基礎資格
- 資格がないと業務に支障が生じる
このため、二種は「落ちると恥ずかしい」、「合格できないと叱られる」との声も聞かれる試験です。
一種の合格率と受験者|受かる気がしない・難しいとの声もある
一種は二種試験の合格者は 毎年、年間で4,000名以上の方が受験します。二種合格後に受験する方や昇格・昇進に合わせて受験する方が大半です。
二種外務員であれば運用商品の販売に携わることができるため、一種を保有しなくてもお叱りを受けることは少ないでしょう。ただ、検証役である内部管理責任者に出世するためには一種外務員の資格が必要。
一種は二種と異なり、「受かる気がしない」など苦戦する受験者も多い試験です。
試験範囲はほぼ同じ!一番のポイントは一種にデリバティブ取引が加わること
一種と二種の試験範囲はほぼ同じ。一番の違いは一種にはデリバティブ取引が加わることです。
試験内容は金融商品取引法に関連する法令や規則などを中心に出題されますが、中でも商品業務がに苦戦する受験者は多いと思います。
商品業務の範囲は株式・債券・投資信託や付随業務やデリバティブ取引などが挙げられます。これらはなんとなくの常識で判断できる法令問題とは異なり、正確な知識が必要とされる分野です。
一種と二種の試験範囲|試験範囲はほぼ同じ
一種と二種の試験範囲は次のとおり。
〔法令・諸規則〕 | 〔商品業務〕 | 〔関連科目〕 |
金融商品取引法及び関係法令 金融商品の勧誘・販売に関係する法律 協会定款・諸規則 取引所定款・諸規則 | 株式業務 債券業務 投資信託及び投資法人に関する業務 付随業務 デリバティブ取引(一種外務員資格試験のみ) | 証券市場の基礎知識 株式会社法概論 経済・金融・財政の常識 財務諸表と企業分析 証券税制 セールス業務 |
一種と二種では、試験範囲はほぼ同じです。ただ一種は二種よりも商品業務分野の配点の比重がやや高めと予想されています。
商品業務分野から出題されるのは次の項目です。
- 株式・債券・投資信託
- 付随業務
- デリバティブ取引
特に一種試験にはデリバティブ取引が加わったのが、一種と二種との最大の違いです。
金融商品には株式、債券、預貯金・ローン、外国為替などがありますが、これら金融商品のリスクを低下させたり、リスクを覚悟して高い収益性を追求したりする手法として考案されたのがデリバティブです。
引用:金融広報中央委員会HP
金融商品のリスクを下げるために考えられたのがデリバティブ取引。
二種の試験範囲|金融商品取引法を中心に幅広く出題される
二種では金融商品取引法を中心に証券や経済の基礎知識、法令・諸規則などが幅広く出題されます。
これから外務員として活動するにあたって、必要である知識を試されるため絶対に遵守しなければならない法令問題などが中心です。
一種の試験範囲|二種の範囲にデリバティブ取引が加わるのが最大のポイント
一種では二種試験の範囲に加えて、デリバティブ取引も加わります。
しかも二種よりも細かな論点から出題されることも多く、同じ試験範囲と言っても油断は禁物。
きちんと基礎を理解して、試験対策をしましょう。
勉強難所であるデリバティブ取引が加わるのが一種です!
ここがポイント!出題形式が大きく変わる
証券外務員試験は一種も二種も完全マークシート式。一番異なるのは出題数かもしれません。
一種は出題数が100問と二種よりも30問増加します。
一種も二種も完全マークシート|一種になると出題数が増加
一種の試験は出題数が増加します。
一種外務員資格試験 | 二種外務員資格試験 | |
問題数 | 100問 (〇✕方式70問、五肢選択方式30問) | 70問 (〇✕方式50問、五肢選択方式20問) |
出題範囲 | ①上記出題科目についての実務的、専門的知識 ②コンプライアンスに関する基本的かつ重要な事項 | ①出題科目についての基礎的知識 ②同左 |
〇✕方式の問題は1問2点、五肢選択方式の問題は1問10点(五肢択二は各5点)。 |
一種の試験では二種よりも問数が多くなりますが、時間切れになることは少ないでしょう。
二種と同じ難易度と油断すると落とすかも?一種になると問題のレベルは上がる
二種の難易度|常識で判断できる問題が多い
二種の試験は一般的な常識で判断できる問題が多いです。法律や金融の基礎知識を中心に出題されます。
おすすめしませんが、一夜漬けでも十分合格できる難易度です。
一種の難易度|あいまいな知識では解けない問題も出題
一種の試験は、あいまいな知識では解けない問題も出題される場合があります。試験範囲は広く、法律や金融の基礎知識だけでなく、細かな論点やデリバティブ取引に関する知識も求められます。
事前にみっちり勉強して対策をとりましょう。
いきなり一種を受験してもOK?二種から受験がおすすめ!
実はいきなり一種の受験も可能
証券外務員はいきなり一種から受験することも可能です。
私が受験した当時(2010年)は二種合格後に一種を受験しなければいけませんでした。
二種から基礎を固めて勉強がおすすめ!
お金がもったいないなど経済的事情があるのなら一種からの受験もOK!でも、しっかり対策をして試験に臨みましょう。
一種と二種は難易度が違う!油断せずきちんと対策して試験に臨もう!
証券外務員は一種と二種で携われる業務の範囲が異なります。会社により異なりますが、金融機関で働く限り基本的には一種を取得する必要があるでしょう。
一種の試験範囲は二種とほぼ同じ。ただし、難解な論点であるデリバティブ取引も加わり、細かな論点から出題されるため難易度は二種よりも確実にアップします。
二種ならば一夜漬けの勉強で合格できた方も一種は苦戦するはず。きちんと対策を立てて、試験に臨みましょう!
私のように一種試験に落ちないために、しっかり対策を立てましょう!