もう終業間際なのに仕事を振られた!退社時刻に業務を頼まれた時の対策を考えた
私は真面目に仕事に取り組んでいる。それが当たり前だと思っていたし、朝から計画を立て、終業までにはすべてを終わらせるように心がけてきた。もちろん、業務上必要な残業は実施するべきだ。それは当然。
会社からは「残業はできる限り減らせ」と、経費削減を厳しく言われていたから。営業店にいる時はそうだった。
しかし、本部に赴任してから労働環境が一気に変わった。残業が当たり前という雰囲気。それに文句をつけない。ただ、不必要な残業で「仕事をしているフリをする」。そんな人がいた。50代後半の私の元上司だ。
終業の30分前になって「ちょぉ、待って」と呼び止められる。大量の業務を押しつけられた。どう考えても今日中には終わらない。「自分がやるって言っていた仕事だろう。自分は何をしていたんだ?電話にも取らず、ずっとパソコンの前にいたはずなのに」。思わず言いそうになった。
しかも、内容は紙媒体の情報をExcelに入力するだけ。期日は設けていない。明日でいいはず。緊急性を感じない。だから思わず、「えっ?」と声に出してしまった。
すると、「なんや、あかんのかいな?」と、パソコンを触りながら答える上司。こちらに断る理由はありません。こう言われたら残業するしかなくなるじゃないですか。
ただただ意味がわからない。どうして急にこんな無理な仕事を押し付けるのか。聞いても、上司は一向にまともな説明をしてくれない。逆に、あなたは一体、今まで何をしていたんですか?と問いかけたくなるけれど、結局返ってくるのは「悪かったなー」という適当な謝罪だけ。
こういう状況が毎日続く。終業間際になってからの無茶な指示。私の中で、じわじわと不満が溜まっていく。上司の指示に問題はないのだろうか?法律遵守の意識はないのか?なぜこの上司が管理職なんだ?状況を放置している会社全体の問題ではないのか?
私が勤めている会社は金融機関なのに。
長文をお読みいただきありがとうございます。
私は12年間勤めた金融機関を退職しました。退職を考えたきっかけは上記の状況がずっと続いたからです。
今は転職して幸せに働いています。
本記事では私の経験をもとに終業間際に残業を終業間際に仕事を振られた状況と行った対策。そして、退職に至った経緯を解説します。
【前提】終業間際に仕事を振られる原因
終業間際に仕事を振られて困っているなら、まずは状況を整理してみましょう。
たとえば、その業務をしなければ会社の業績に影響する、自部署のノルマが達成できない、といった場合なら残業もやむを得ないでしょう。
残業を振られる原因について考えてみました。
私は部下に終業間際に残業を振ったことはありません。ですから、上司の心理までわかりかねます。ただ、普段の振る舞いや言動からして、以下のような原因があるのではないかと考えられます。
原因①|仕事ができない上司だから
仕事ができない上司は、自身の業務をこなせずに部下に押し付けがちです。
時間管理が苦手で、締め切り間際になって慌てて仕事を振ることもあります。また、業務の優先順位を適切に判断できず、不要な作業を部下に任せてしまうこともあります。
このような上司の下では、部下が不必要な残業を強いられる可能性が高くなります。
申し訳ないですが、当時の私の上司は社内でも有名な「仕事のできない上司」でした。
原因②|上司が仕事が好きだから
仕事が好きな上司は、長時間労働を美徳と考え、部下にも同様の姿勢を求める傾向があります。
私自身、上司から「働いた方が同僚より成長できる。だから、残業すればするほどいい」と言われたことがあります。
しかし、こうした意見には何の根拠もありません。長時間残業しても仕事ができない人はたくさんいます。
「この人毎日残業しているけど、何しているんだろう?」という人は、どの職場にも一定数いるのではないでしょうか。
仕事への価値観を部下にも押し付け、終業時間を過ぎても仕事を続けることを当然と考えがち。このような上司は、仕事とプライベートの境界線が曖昧で、部下は不必要な残業を強いられ、ワークライフバランスを崩す可能性が高くなります。
原因③|上司が一人で仕事をしたくないから
一人で仕事をしたくない上司は、自身の孤独感を解消するために部下を巻き込もうとします。部下に残業を強いることで自分の居場所を作るわけです。
結果、上司のわがままに振り回されて、不必要な業務が増えていきます。
私の経験上、こうした上司は交渉しても改善の余地はありません。その場では謝罪されました。
しかし、上司の働き方に対する考えは変わらないでしょう。口では「わかった」と言いながら、まったく同じことを毎日繰り返されました。指摘すると「ちょっと頼んだだけやないか」と逆ギレする始末。
もはや交渉の余地はありません。
終業間際に仕事を振られても仕方のない事例
ただ、終業間際に仕事を振られても仕方のない事例はあります。
もし、以下のような内容であれば、残業をしてでも対応しないといけないでしょう。
突発的な事象については、終業間際に仕事を振られても受け入れないといけない場合も。
逆に下記のような事例でないのに残業を強いられる場合は、日中の業務や社内の体制などに何らかの問題がある可能性があります。
事例①|自然災害への対応
自然災害が発生した場合、迅速な対応が求められます。たとえば、地震や台風、豪雨などの災害時には、従業員の安全確保や事業継続のための緊急措置が必要となります。
こうした状況では、通常の勤務時間にとらわれず、全社一丸となって対応することが重要です。
緊急時の対応は、時間外であっても速やかに行う必要があります。従業員の協力と理解が不可欠であり、終業間際であっても対応を求められる場合があります。
事例②|緊急対応が必要な顧客
顧客との関係性を維持し、サービス品質を保つためには、時に緊急対応が必要となります。たとえば、以下のような状況です。
- システムトラブルによるサービス停止
- 重要な取引に関する急な問い合わせ
- 製品の重大な不具合や修理に関する対応
終業間際であっても、顧客の信頼を守るために残業して対応することが必要な場合があります。
私が勤めていたのは金融機関だったので、17時の終業以降に電話対応による残業は結構多かったです。お客様がいる商売の場合は仕方ないかもしれませんね。
事例③|役員の突然の指示
役員からの突然の指示により終業間際に仕事を振られる可能性は高いです。経営陣からの緊急の要請は迅速な対応が求められます。
たとえば以下のような状況が考えられます。
- 急な営業実績の資料作成
- 重要な経営判断に必要なデータ分析や報告書の作成
役員からの指示は、会社全体に影響を及ぼす可能性があるため、終業時間を過ぎていても対応が必要になることも多いです。
ただし、このような事態は例外的であるべきで、頻繁に発生するようであれば、組織の運営方法や意思決定プロセスに問題がある可能性があります。
役員からの指示で早急な報告が求められるケースは中小企業でよくある話ではないでしょうか。私の前職では役員や本部の意見で現場が右往左往することが多かったです。
【実施済み】終業間際に仕事を振られた時の対策
上司が何も考えていないだけ、自分の仕事を部下に押し付けたいだけ。こうした状況ならば、以下の対策を取りましょう。
会社の人事部、総務部に相談し人事異動を希望する
転職活動を始める
下記で私が本部に異動し、遭遇した上司の話です。
異動前から「仕事ができない人」と噂が多い人だったので、不安でしたが実際に一緒に仕事をして案の定という感じです。
対策①|明日へ仕事を回すように提案
終業間際に仕事を振られた際、まず試みたのが翌日に仕事を回すよう提案することでした。具体的には、「この業務は今日やるべき必要性はないのでは?」といった意味の言葉をオブラートに伝えました。
しかし、なぜか上司が不機嫌になりました。明らかに態度が変わるのです。「なんや。あかんのか」と詰問されることもありました。
上司の態度が冷たくなり、退勤するにしても後味が悪いです。なぜそんな態度を取られなければいけないのか意味がわかりませんでした。
対策②|上司に現在の仕事の状況を聞く
ですから、残業の指示を受ける前に上司に仕事の状況を定期的に確認しようとしました。
できるだけ「何か手伝えることはありますか?」と日中に尋ねるように。日中はそれほど忙しくないのですから。こうすれば、終業間際の仕事依頼をなくせるはず。そう思っていました。
しかし、上司は日中、「特にないなぁ」と答えることが多く、結局終業間際に仕事を振ってくるという状況は変わりません。「頼むから仕事をください」と、伝えると笑われました。意味がわかりません。
この時点で、人事部が私の上司に連絡していたようです。「残業が多すぎて、月40時間以上になる。帰らせるように」このように指示が出て、以降は残業が全くなくなりました。
しかし、翌月には残業を指示されます。逆に「残業時間が40時間以内ならOK」と思わせてしまったのかもしれません。
対策③|上司に残業をなくしてもらうようにお願いした
直接上司に残業をなくすよう丁寧にお願いしました。具体的には、「毎日の残業が続いており、正直しんどいです。特に緊急性のある業務にも思えません。営業店では残業を少なくしようと努力しているんですよ。不要な残業は差し控えるようにしましょう」と提案しました。
上司は不服な顔をしましたが、一時的に理解を示し、残業を減らす努力をしてくれました。しかし、根本的な仕事の進め方は変わりませんでした。
結果として、数週間後には元の状態に戻ってしまいました。
「お願いしても解決しないなら、もうどうしようもないな」と諦めつつありましたし、
最後の対策|上司が実施した業務を確認し牽制する
最終手段として、上司にどんな業務を行なっているか聞きました。
だって、おかしいじゃないですか。自分はぼーっとパソコンの画面を見てハンコを押すだけで、1日終わるのに、私が所属していた課の仕事のほとんどをしていたと思います。
上司は検印席(金融機関で言う)ですが、書類を見ずにハンコを押すから、大半の書類は部長から返却されました。そして、その書類はそのまま私に渡すから、実質部長と私で仕事を回しています。
「この人何やっているんだろう?」
度重なる残業が3カ月以上続き、率直におかしいんじゃないかと感じました。そして、上司がいつも通り終業間際に「これも頼むわ」と言われた時に、問い詰めることに。
「なぜこの指示が今になったんですか?もっとできる時間ありましたよね。そもそもあなたは何をされていたんですか?私に業務をさせてハンコを押すだけで、業務を終えているっておかしいのでは?」
なかばキレていました。自分の言葉に興奮してしまい頭に血が登っていたようで情けないです。しかも、私は30歳半ば、かたや相手は60歳前の定年間際。今思うと完全に言い過ぎですが、当時は自分の体調やメンタルがしんどかったので仕方ないかもしれません。
そして、これでも改善しないため、ついに完全にキレてしまう。そんな事件が発生します。
最終的に怒った|1年後退職する要因の一つに
役員へ提出する重要な書類がありました。以前から上司の仕事振りに不安を感じていたので、私もずっと上司に確認していました。しかし、上司は「大丈夫だ」との返答。
しかし、期日も相当切迫するのに提出しない上司。痺れを切らした部長がついに上司に激怒します。「どうするつもりだ」と。
私は当然想定していた結果ですが、上司は謝るばかり。ただ、自分で作業するのではなく、私にほぼ丸投げしたわけですが。
私が徹夜して翌日朝4時頃に自宅パソコンで作成し、会社のメールへ送信。翌朝、職場にきたら上司は何もしておらず、ほとんど進んでいないような返事をしました。もう呆れて何も言えなかったです。
しかし、ここで、なんと私が作成した資料をろくに検証もしないで、部長へ。そして部長からの指摘事項をそのまま私に修正するように指示してきました。
ここで私の堪忍袋の緒がきれました。「あなたは今まで何やってたんですか?もうこの会社で働くのが嫌になりました!」と、自分でもびっくりするくらい激怒しました。
上司は言われた直後は聞き流していましたが、翌日になると態度が豹変。
「ごめん!こないだの件は悪かった。だから辞めるというのはやめてくれ」と拝み倒すように行ってきます。
本当にこの人は何を言っているんだろうと混乱しました。
結局状況は変わらない日々が続きます。
かくして私の残業間際に仕事を振られた対策はことごとく失敗に終わります。そうして、退職を決意するようになりました。
今は転職して、待遇も大幅に改善されました。そう思うと逆に残業を終業間際に振られるような状況で働いたのは良かったのかもしれません。
残業に関するよくある質問
上司から終業間際に仕事を頼まれた場合、どのように断ればいいですか?
丁寧に、かつ具体的な理由を説明しながら断ることが重要です。例えば、「申し訳ありませんが、本日は予定があるため対応できません。明日の朝一番で取り掛かることは可能ですが、いかがでしょうか?」というように、代替案も提示するとよいでしょう。
慢性的な残業によってストレスや健康問題が生じた場合、どのような対策を取るべきですか?
まずは上司や人事部門に状況を説明し、改善を求めることが大切です。それでも改善されない場合は、産業医や専門家に相談したり、場合によっては転職を検討することも選択肢の一つです。自身の健康を最優先に考えることが重要です。
終業間際の仕事依頼を減らすために、日々の業務でどのような工夫ができますか?
定期的に上司と業務の進捗状況を共有する、タスクの優先順位を明確にする、効率的な時間管理法を実践する、などの工夫が考えられます。また、チーム全体で業務の平準化を図ることも有効です。
残業が多い職場環境を改善するために、従業員にできることは何ですか?
業務の効率化や改善案を提案する、残業の実態を記録して経営陣に報告する、労働組合がある場合は相談する、などの行動が考えられます。また、同僚と協力して組織全体の意識改革を促すことも重要です。
残業が多い環境から転職を考える際、次の職場選びで注意すべき点は何ですか?
求人情報だけでなく、実際の労働時間や残業の実態を確認することが重要です。面接時に残業に関する方針や取り組みを質問したり、現職員の口コミを参考にしたりするのもよいでしょう。また、ワークライフバランスを重視する企業文化があるかどうかも確認するとよいです。
まとめ
終業間際の仕事依頼は、労働環境の悪化やストレスの原因となり得るため、適切な対応が必要です。
効果的な対策には、優先順位の確認、丁寧な断り方、代替案の提示、上司との対話などがあります。
改善が見られない場合は、自身の健康とワークライフバランスを優先し、転職も選択肢の一つとして考慮すべきです。